浮気3 ページ3
「は？」
意味が分からないといった顔で俺を見る鉄朗･･･いや、黒尾。
何だその顔は。
吹っ飛ばしてやろうか。
「おい、何の冗談だよ」
「この状況で冗談何て言うと思うか？ お前の浮気癖にもそろそろ我慢の限界だ。」
「はぁ？！ だから、別に浮気じゃないって！」
「浮気じゃなかったら、一体この状況は何だっていうんだ！ 知らない女を家に連れ込んで、寝室で何してんだ！ 言ってみろよ！」
「････ｯ!! そ、それは･･･」
「言えないよな？ 言えないことしてんだもんな！」
いつも通りの言い合いがスタートするも、この状況に何故か酷く冷静な自分がいる。
慣れている。というのは、本当に怖いものだと改めて思った。
「･･･はぁ。 まぁ、別にもういいよ。 大事な私物は回収したから、後は適当に捨てといて。 それじゃ」
「ちょｯ！ 待てよ！ 何処行くんだ！」
「何処って、家に帰るんだよ」
リビングを出ようとする歩みを、俺の腕を掴む黒尾の手が阻止する。
此処まで怒ったのは初めてだからか、向こうの表情も随分と焦っているふうに取れる。
馬鹿だな。
そんな顔するなら、最初から浮気なんてしなければ良かったのに。
「手を離せ」
「嫌だ。 離したら出て行くだろ」
「当たり前だろ。 もう一度言う、手を離せ」
離すつもりは無い。という意思表示だろう。
握られている手に、更に力が込められる。
そうか。
そっちがその気なら。
「怪我しても文句言うなよ」
「え？」
掴まれた腕を捻り上げ、黒尾の懐に瞬時に入る。
そしてそのまま、
「一本背負い！」
「うそ？！ｯテェ!!!」
ドスンｯと重く大きい音が廊下に響く。
「忘れてたんだろうが、俺は柔道3段持ちなんだよ。 バーカ！」
「お前ｯ････ガチでｲﾀｲ」
冷たい廊下に転がる黒尾をほったらかし、俺は急いで玄関へ。
そして靴を履き、靴箱の上に合鍵を置いた。
これで終わり。
本当に終わりなんだ。
「A！」
「黒尾。お前に告白された時は、別に嫌いじゃないからって理由で承諾した。 」
けれど、
「付き合って嫌な事もあったけど、楽しい事もそれなりにあって････正直、好きだなって思ってたよ。お前のこと」
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黒輝 累(プロフ) - mikittyさん» 嬉しいです！！！高評価＆お気に入りありがとうございます！これからも宜しくお願いします！ (3月5日 19時) (
レス) id: 915107712a (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - お気に入りと高評価しておきました！またの更新楽しみにしております！ (3月5日 16時) (レス) id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
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