皆の絆は知っている

知らなかった!? ページ5

〜彩side〜

なんか、勉強しよっかな。
秀明まであと一時間だし。
数学、やるか。

ーー。。三十分後。。ーー

あ、あと十分くらいで出なきゃ、間に合わない。
さてと、準備するか。

コンコン

「はーい」

はて、誰だろう。
うちの家族で、部屋のドアをノックするほど、礼儀正しい人はいないはず。。。

「彩？ 俺だよ。ちょっと話があるんだが、ちょっといいか？」

お、お兄ちゃん。。。。
もう、ちょーー違和感!!!!

「いいよー」

「お、勉強してたのか。ごめんな。」

「ううん、大丈夫だよ。いま終わったとこだし。話って、なあに？」

お兄ちゃんは、急に真剣な顔付きになった。

「いや、ただ、奈子のことなんだけど、あんま心配すんなよ。お前が、うつかなんかになったら、俺、まいっちまうよ。」

。。。。?
どういう事？
奈子、パパと旅行行ったんじゃないの？

「え? なんで、心配する必要があるの？ 奈子、旅行行っただけでしょ？」

そう言うと、お兄ちゃんは、今まで見たことの無いような表情になった。
驚き 40%
怒り 40%
疑い 10%
悲しみ 10%
って感じ。

「彩、おまえ、知らないのか?!?!」

お兄ちゃんは、震えていた。
私は、どんどん怖くなってきて、恐る恐る

「え、なに。。。を？」

と、聞いたの。
そうすると、

「知らないのか。。。 あいつ、マジ、信じらんねー。人間じゃねーよ。」

お兄ちゃんは、もう、怒り100%になっていた。

私は、色々聞きたかったんだけど、時計を見たら、なんと、授業開始、五分前!

「お兄ちゃん、ごめん! 私、秀明遅れちゃう‼ 帰ってきたら、話聞かせて‼」

そういって、ドアへ走ってくと、

「彩、今日は秀明休め。１日くらい、大丈夫だろ。」

その声が、恐ろしすぎて、わたしは、頷く他に何も出来なかった。。。

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