男装しているわけではない

第19話 ページ26

無事錬金術の授業を終える



そのまま解散した僕たちのクラスはそれぞれが部活やら、図書館にやらに駆けていく



フロイドも今日は部活に行く気分なのか






フ「また明日〜」






と笑うフロイドに手を振りかえして学園長室に向かう




なぜ学園長室に向かうかというと、レオナ・キングスカラーについて質問するためだ


きっと王族なのだろうが、とりあえず聞いてみることにする





と言ってもそれ以外にも用はある



来週から始まる三週間のホリデーについてだ

丁度ホリデーが始まった三日後から、騎士団の遠征が始まる



理由は聞かなかったが、スマホに団長から僕は絶対参加を言い渡されていたのでホリデー開けは三日間休むことになるのだ





ｺﾝｺﾝ、と部屋をノックすればどうぞと声がかか利失礼します、と呟いてから入室すれば仕事‥



いや、仕事をする振りをしてだらけている学園長が目にはいった






学「どうされました?」


貴『ああ‥、‥ホリデーのことなんですけど』






事情を説明すれば学園長は二つ返事で頷いた





学「気をつけてくださいね!!」


貴『はい‥、あ、それと‥レオナ・キングスカラーって王族か何かですか??』


学「キングスカラー君は、夕焼けの草原第2王子ですね」


貴『第2王子!?』


学「ええ、そうですが‥、どうかされました?」


貴『いや、目のことを言われたので‥、』






あれが第2王子‥?


あんなにもいかつい王子様なんて、怖すぎて‥

それにあの魔力、さすが王族と言ったところか‥、護衛なんて要らないのでは?





そんなことを考えながら学園長室を後にすれば、タイミング良く寮長が通りかかった







マ「おや‥、名前、どうかしたのか??」


貴『お疲れ様です』







なぜ学園長室から出てきたかと問われているのだろう


挨拶をしてから軽く説明すれば、寮長は何故かむっとした表情になる




いつも分かりにくい彼がまさか、こんな表情をするなんてとひっそりと感動に浸りつつ再び名を呼ばれ彼を見上げれば思いの外近い距離に首が痛くなる





マ「これからは学園長より、僕に聞け」





なんて




「僕でもキングスカラーのことやホリデーのことなら教えられる」




あまりにも可愛らしいお願いに頬が緩んでしまう


そうすればじと、とした目付きにかわった




自分が見ていなかっただけで寮長はこんなにも表情豊かなんだなと初めて気付いた





貴『次からはそうします』





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