番外編 ページ46
「おぉ〜可愛いな。」
「さっすが2人の子供!二重線とかくっきりじゃん!将来絶対可愛くなるよ!」
翌日、赤ちゃんが産まれたと聞いて真っ先に宮城の元青葉城西の人達が病院に来てくれた。
東京の人達は「俺たちは近いからいつでも行けるし、今日は宮城の奴らに譲ってまた今度見舞い行くわ、おめでとうな。」と黒尾さん。
元烏野の人は「また今度みんなで集まるときに見させてもらうことにするよ。おめでとう、赤葦。Aにも言っといてくれ。」と澤村さん。
午前は両親が来て、午後は友人という、なんともハードなスケジュール。
Aは「ちょっと疲れると思うけど、来てくれるの嬉しいから頑張る!」と笑いながら言っていた。
「A、体大丈夫?」
「大丈夫大丈夫!私これでも体力は結構ある方だし。」
まあそうだな、と少し納得。
赤ちゃんをずっと見ていた及川さんが、不意に顔を上げて言った。
「そういえば、この子の名前決まったの?」
その問いかけに、Aと俺は顔を見合わせる。
どちらも、何とも言えない顔をしていたと思う。
その表情を見てか、及川さんはこてんと首を傾げた。
「何かあったの?」
「いや、それが…………」
「………産まれる前から、名前は何にしようかとか2人で考えてたんですけど、思い付いた名前どれもパッとしなくて………本とかを見ても2人共これだ!っていう名前がなくて……」
Aがばつが悪そうに言う。
その話を聞いていた他の人達は、うーんと首を捻っていた。
「……確かに、Aと赤葦って自分が納得しないと絶対につけなさそうだもんな。」
「………いっそ、俺達で考えちゃうとか?よく聞くじゃん、友達の発言から名前が決まったとか。」
「Aと赤葦が嫌ならいいけど」と花巻さん。
…………確かに、その案は悪くない。
Aも「その方がいいかも」と呟いた。
「………お願いします、俺達も早くこの子の事を名前で呼んであげたいので。」
頭を下げると、「そんな頭下げなくてもいいのに!逆に名前つけれるとか光栄な事だよ!」と少しドヤ顔で及川さんに言われた。
「ドヤ顔すんなよ」と岩泉さんが理不尽に及川さんを叩く。
なんか、その光景が妙に温かかった。
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作者名:*フィラ* x他2人 | 作成日時:2015年2月17日 20時