虎とチワワの小競り合い*Furihata ページ6
*
「えー……次は……」
「上から2番目の棚です」
「これは?」
「それ先輩の借りたやつですよね……」
「あ、ごめん。じゃなくてこっちは?」
「左側の一番上……ですね」
オレの名は降旗光樹。ごく普通の街でごく普通の高校生をやっている。
……と、いうのがプロローグの漫画があったような気がする。←
そんなごくごく普通で一般人の平凡高校生(←)であるオレは、創立して間もない高校、誠凛高校の二期生である。
「よっ……と」
そして目の前にいる彼女が、記念すべき(?)一期生、オレより学年が1個上の先輩だ。
言い忘れてたが、オレは図書委員である。
「ありがとう、助かった。」
「……いえ」
そう言って、にこりと屈託のない笑顔を向ける彼女に不覚にもドキッとしてしまう。
年下である後輩が、同じ委員会の先輩に恋をする。
…ボーイ・ミーツ・ガール的な展開を期待した方は申し訳ない。
「お礼なんて、いいです。オレが欲しいのは――」
「降旗君……?」
いかにも恋(笑)が始まりそうな予感だが、オレにはちゃんと本命がいるので、彼女に“そういう”感情を持ったことは全くもってこれっぽっちも一度もない。
そもそも、だ。
オレと彼女には圧倒的な差がありすぎる。
オレと彼女を阻むモノ―――それは
「――先輩
「ごめん、無理」←172cm
2cmの、壁。
____
▽モブ視点
「身長分けやがれください」
「敬語なようで敬語じゃないな」
「身長よこせ…ださい」
「敬語やめろとは言ってないんだが…」
「恐れ入ります。貴方様の身長を2cmほど頂きたいのですが、よろしいですよね」
「誠に申し訳ございません。ただ今身長は在庫切れでして」
「…チッ」←
「舌打ちしたよこの子…」
――またか。
そう思い、貸出及び返却コーナーに目をやればカウンターにて会話を繰り広げる男女の姿。
あの光景こそ、週に一度は見られる「虎とチワワの小競り合い」である。(名付け主不明)
一応小声を心掛けているようだが、ただでさえ静かな環境に恵まれる
彼らの会話が耳に届くのもそう珍しくはない。
「いいじゃないですか、2cmくらい。恵んでくださいよ」
「言ってて虚しくならない?」
図書委員の名物となりつつあるのを彼らは知っているのだろうか。それとも、知っているからやっているのか。
―――因みに、別名:図書館戦争とも呼ばれる。
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ユキ(プロフ) - kosigayamaihintさん» ありがとうございます。殆ど妄想で書いているようなもんなので、とても嬉しいです。無理をしない程度に更新頑張りますw (2018年8月30日 9時) (レス) id: b62f39a03d (このIDを非表示/違反報告)
kosigayamaihint(プロフ) - 光の姉凄く大好きです!この本編では見れないお話見るのとても楽しいです!更新楽しみにしています!でも無理はしないでくださいね (2018年8月30日 1時) (レス) id: d0a46af0d1 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - ゆめさん» ありがとうございます!あくまでも関係は年上と年下みたいな感じです!私も夢主がタイプですw (2018年4月25日 7時) (レス) id: de1da99f45 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - こういう殺伐として甘くない関係好きです!夢主が超どタイプ。← (2018年4月25日 6時) (レス) id: 071a98174c (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 黒九路苦さん» ありがとうございます!更新は思い付いた時にやっていますが、待って頂けると幸いです。これからも頑張ります。 (2018年2月12日 0時) (レス) id: de1da99f45 (このIDを非表示/違反報告)
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