光の/姉の/日常記。

〃 ページ21

＊

｢ふー……｣


ひとしきり吐いてから、口元を拭うと、乱雑に繰り返される呼吸を整えながら確認する。


……おk、大丈夫、大丈夫。とりあえず把握した。先程は随分取り乱してしまったがもう大丈夫だ。……ぶっちゃけ、今もちょっと気持ち悪いけど。

復活早くね?と大半は言いたいだろうが、これでも十分ダメージ受けた方だから。(これで記憶なしだったら発狂不可避だっただろう)

これでも一度刺されて死んだ身だ。だから適応しやすかったんだ。……そうだと思いたい。


____


何はともあれ一旦落ち着いたので、分かったことを挙げていこうと思う。

どうやらここは戦場で、私は子どもらしい。なんでこんな所に子どもが?と自分の姿をその辺に溜まった水を見て納得した。

鈍色とも言えるくすんだ髪、纒わり付くそれと同じ赤く染まった両の眼が、確かに私を見据えていた。

――そして極めつけは。


｢………｣
｢(……えぇぇ……)｣


くい、と控えめに布の裾を握る小さな少年。その容姿は明らかに見覚えがありすぎる。ジッとこちらを伺う双眸とその頭髪は私と瓜二つ。

これは…もしかしても、もしかしなくても。




｢屍を食らう鬼が出ると聞いて来てみれば… 君達がそう？
また随分と可愛い鬼がいたものですね｣

｢｣←



追い討ちですね、ありがとうございます。

背後からこんな台詞(cv:山寺宏一)が聞こえてきたら、もう信じるしかないよね。

笑いあり涙あり、ドタバタコメディチャンバラ物語のそれを何度読み返したことだろう。

どうやら私は転生したらしい。
坂田銀時(主人公)の、唯一の兄弟として。




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