現実ってそううまくいかない...わけでもないんだよね～黒バストリップ～Part6 (ページ10)

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鈴村side

しかし攻防は依然として続いており、春日さんの放ったシュートがゴールをくぐった。

彼……春日さんの動きは、柔軟性がある。
逆に岩村さんは守りで、ディフェンス

……つまり。

「(ﾎﾞｿｯ)攻めと守り……正邦は、どちらも兼ね揃えてるってことか。」

直後、小金井先輩がゴールを決め、お互いに一歩も譲らない展開が続いている。

火神「……」

リコ「驚いた？」

眼を丸くして白熱する試合を見ていた火神に、リコさんはニヤリと笑って問いかけた。

リコ「でも私たち二年にとっては、このチーム編成のほうがしっくりくるの。なまじ一年の頃から一緒にバスケやってたわけじゃないからね。」

彼女の言うとおりだ。
今年になって突出した能力を持ち合わせた火神や黒子が入部したため即採用され、新しいチーム編成になりはしたものの、それとて春から作り上げたばかりなので、まだまだ未熟だ。

黒子たちが入ることによって攻撃力は一段と増したが、チームの型としてはまだ発展途上。

逆に、一年の頃から築き上げてきた今のスタイルのほうが彼らにしっくりくるのは当然のことと言える。

リコ「日向君のアウトサイドシュートと水戸部君のフックシュート。それを軸にしてチームOFで点を取る今の型が、私たちが一年かけて作った型なのよ。去年の敗戦から、相当練習してきたからね…」

「……」

そこまで言って、少しばかりリコさんの表情が曇った。去年惨敗した時の悔しい思いがきっと蘇ってきているんだと思う。

リコ「……さて!(ｸﾙｯ」

「なんですか、カントク」

曇った表情から一転、ぱっと顔を上げたリコさn…カントクが、俺の方を向いた。

……いやな予感しかしない。←