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「…鈴村?何書いてんの?」
「あー……皆のプレー見てて、気になる部分とか、対策とか…書き留めてみた。…見る?」
別に隠す理由も無かったので、趣旨を掻い摘んでノートを差し出した。
「うわあ……良く書けるなこんな量……」
素直に受け取り、暫くパラパラとページを捲っていた彼だったが、ちょっと面食らったような顔をした。
「別に、これくらい普通だと思うけど…?」
「これを『普通』と言ってる時点ですごいよ…」
はい、と返されたノートを受け取りながら果てと首を傾げる。
…そういや、昔知り合いに『拓って普通の基準がおかしい』とか言われた記憶があるようなないような。
それはともかく、だ。
再び試合に目を向ければ、丁度日向先輩がスリーポイントシュートを決めたところだった。
まあ、すぐ様大坪さんのシュートで返されたが。
正に、行ったり来たりの攻防。
そして、ついには火神が緑間を止めた。
それをきっかけに誠凛が波に乗る。
それを阻止しようとする、大坪さんのダンクを火神が弾いた。
ーーーーなんか、嫌な予感がする。
「マジですげえよ火神!あいつがいれば…!」
「……そうですか?」
「…黒子?」
降旗が歓喜の声を上げるのとは裏腹に、眉間の皺を、第3Q開始時よりも深まらせるカントクと……黒子。
「……」
ふと関さんの方を見れば、いつもと変わらぬ無表情だったものの、彼女は俺に頷いて見せた。
…なるほど、ね。
「このままだと、マズい気がします」
黒子の声で、俺の中での確信がより大きくなった。嫌な予感というのは、どうやら当たるものらしい。
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藍斗 - おもしろかったです! 更新頑張ってください 応援してます! (2016年9月10日 11時) (レス) id: 74bee11643 (このIDを非表示/違反報告)
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