4.優しさ ページ5
乃木｢…A？｣
A｢……どうやって生き返ったかは分からない。逃げて、逃げて、逃げた後、気付けば現実に帰ってきていた。
あれが夢だったのか、もしかしたらほんとは自分は生霊なのか。それもわかんない。｣
痛みだってある。味だってする。匂いも、感覚も、ある。けどそれは全て記憶からくるものなのかもしれない。
私、生きてんのかな。
乃木｢…お前は生きてるだろ｣
A｢へ…？｣
手に温もりを感じる。
目線を落とすと、乃木が力強くぎゅっと握ってくれていた。
乃木｢ほら、あったけぇじゃん。
それに知ってるだろ？幽霊は俺に触ると消えるって｣
にかっと歯を見せて笑う乃木に、心が温まった。
なんだろ、目尻も熱くなってきた。
A｢…ん、ありがと｣
乃木｢いーえ！｣
ミズチ｢コホン、それで？死んで帰ってきてからあんたの体質はどうなったの？｣
A｢えっと、さっきみたいに気分が沈んだり、怒ったり…マイナスな感情になると一般人にも見えるようになっちゃって。
私からしたらずっとあの景色だから、周りの人の反応でしか分からないんだよね。｣
ロッティ｢ず、ずっとあの景色…？俺だったら耐えられない…｣
ユイ｢う、うん…僕もちょっと…｣
引きつった顔をする2人に思わず笑ってしまう。
A｢でもね、前より幽霊が沢山見えるのはそうなんだけど…賽の河原にいた子供たちまで一緒に来ちゃったらしく、話せるいい子もいるんだよ｣
マット｢一緒に来ちゃったって…ほんとに何があったんだろう？調べても引っかからないし…｣
ダニエル｢奇跡の生還…ということか｣
A｢そうなるね。ま、私自身乃木に会うまで死ねないって思ってたし｣
乃木｢え〜なになに、そんなに俺に会いたかったの？｣
ニヤニヤして聞いてくる乃木に呆れつつも、私はハッキリと答えた。
A｢会いたかったよ、乃木｣
乃木｢………ん、｣
目線を外す乃木に微笑んでいると、｢会えて良かったね｣とユイさんに声をかけられた。
A｢だね！まー私の話はこれくらいにしてさ
乃木、なんで染めたの？｣
ノーマ｢！！｣
乃木｢え？あー、お姉さんとお揃いにしたくてやっちゃった♡みたいな？｣
A｢そんな女たらしだっけ｣
乃木｢紳士って言ってくんない？？｣
乃木が？？？
と聞くと
乃木様が☆
とてへぺろ顔で返ってきた。
ーーー
乃木様ーっ！！(?)
ーーー
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：霊来 | 作成日時：2023年7月27日 4時
