【声優】幸せの彩り

スギタ ページ29

「ひ………ひどいです…。私は、囮だったんですか…！まさか二人とも…！最初からそのつもりだったのね！？」

中「ふっ……バレちゃあ仕方ねぇ…騙される方が悪ぃのさ！！」
「中村さんのアホ！悪魔！」

杉「俺はそんなつもり無かった！信じてくれ…！！
最後までお前を守ろうとしたんだ……！！」
「杉田さんイケメン！格好いい！」
中「お前ダマサレテル」

杉「次こそはきっと…きっと俺がお前のことを守り抜くことを誓おう！A！」
「杉田さんイケボ！好き！」
中「Aお前もうちょっと考えろ、な？」


中「……なにニヤニヤしてんだよ」
杉「ヤバイぞ中村、女子高生にめちゃくちゃ褒められた」

最近は若い女性ともしゃべることもあまり無かったのに…！と鼻息を荒くしている杉田さんを見て中村さんが微妙な顔になる

中「…まぁ、お前の気持ちも分からなくはないが、そういうのは面に出しちゃいかんぞ。」
杉「わかった！」
中「うん、良い返事だ」








.









それからしばらくして、

中「ふーっ疲れた！もう昼じゃん、すぎたー腹へった。」

大きく伸びをする中村さんの前の画面には『勝者！』の文字が踊っていた
彼の表情もどこか晴れやかである。


対して、その隣に座っている私と杉田さんの雰囲気は暗く、共にうなだれている。

その表情からもわかるであろう、目の前の画面に映っているのはもちろん『敗者』である

杉「なんかあったかな……いや、今朝の残りは無いしカップ麺も無いから今から作るしかないな」


格闘ゲームで中村さんと接戦を繰り広げ、僅差で負けた反動で元気ない杉田さん


大技を決めようとして、技を繰り出す場所を間違え、自分で仕掛けたトラップの上で自爆するという大技を決めた私は、杉田さんのその様子を見て『ここはお役に立たねば…！』と思ったのである。



「あの、私作ります！」

「「え！！」」
同時にこちらを振り返る二人
先程の大技を決めた時と同じ反応だ

「だ、だめですか…！」

中「違う違う違う！！いいの？まじで？」
「……お口に合うか分かりませんが……」

中「やったな杉田！」
杉「女子の手料理女子の手料理女子の手r……」
中「鎮まりたまえスギタ」

あいつ、寂しがりやだから。→←囮

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