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an-an撮影の3日前くらいから、また零くんと素肌で過ごすのを再開した。
後ろからくっ付いたり、ソファーで触れ合ったり。
ずっとではなくレッスンの様に時間を決めて、渡された雑誌の全てのページのポーズを一通り。
いつか、ずっと先の未来でまた雑誌の撮影が来るかもしれないから。
「零くんって...華奢なのによくあたしおんぶしたり、こうやって膝に乗せられるよね?」
「...馬鹿にしてんのか、それ?」
「いや、重くないのかな〜って」
疲れて零くんの肩に凭れると、膝掛けを肩にかけてくれる。
「その分身長差あるからな〜重くはねーぞ」
「明日からカロリー制限だ...気が重いよ」
「終わったら、好きなもん好きなだけ食っていいぞ?なんでも買ってやるよ」
「華奢なのに太っ腹〜!」
「やっぱバカにしてんだろ?」
してないよ、と笑って言うと...そのまま零くんの唇は首筋から鎖骨にかけて、デコルテを辿る。
休憩してても、急に再開するのが零くんだ。
腕を首に回すと、ちゅっと軽くキス。
擽ったさにも、キスにも、お陰様で慣れてしまった。
「...慣れるのはいいんだけどよ?ドラマとかの仕事はすんなよ」
「ヤキモチ〜?」
「どうだろうな...たかがキスくらい挨拶!って妹が気にしないのは嫌だな?凛月なら兄妹だから許せるけど...たかがキスされどキス、だよ」
「零くんも他のモデルの女の子とかが相手なのは抵抗あるの?」
「俺は安売りしたくねーな」
「羽風さんに仕事が回るのかな?気の毒...」
「大丈夫だろ、女の子大好きみてーだしな」
ならよかった、と零くんの首筋に擦り寄る。
「それ、寝てる時もたまにするんだよな」
「じゃあ癖なのかな?知らないけど...さ、レッスン終了〜アイス食べよ!」
買っておいてくれた、今シーズン先取りラムレーズン。
仕事後のアイスは至福だ〜っ。
しばらくは買うならこれにして?とお風呂に入ろうと立ち上がると、腕を引かれた。
「どうしたの?」
「子供か?アイスついてんぞ?」
笑いながら零くんは唇の端についたラムレーズン味のバニラを舐めて、ちゅっと離れる。
びっくりして固まってしまった...そんな事まだ誰にもされた事ないのにっ!
「ラム効いてるな。また買ってくるから冷蔵庫のやつ俺も貰うぞ?」
「うん...」
やばいっ!
このままだとお兄ちゃん達にすべての1番を取られてしまう...
「それまだされた事ないのにっ!」
あたしが叫ぶと、俺もだな?とそっけなく返された。
...1番貰っといて、アイス真っしぐらってなんなの!?
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作者名:馨 | 作成日時:2020年8月26日 4時