あんスタ～大好きな兄弟～２【朔間零・凛月】 (ページ35)

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事務所にいる時にマネに頼んでみた。
「ねぇ...？an-an全力で頑張るからさ、CM以外は表紙とかはしばらく断ってくれないかな？」
「いいけど。CMはいいんだ？」
「CMの方が楽しいかな～動きあるし！なんかちょっと疲れちゃって」
「珍しいじゃん！Aが元気ないなんて！」
「...マネはどう思う？あたしに彼氏がいるの...」

うーん、と考えると、言葉を選んで話してくれる。
「動画の子だ！ってライブ見た人から人気が出たのに、今はMVとかCMとか見てくれて、業界の人の目にもちゃんと留まるようになってきてるんだよ。こういう時にゴシップはやっぱり避けたい所だよな。だから、シナモンだって一緒に行くんだし。あ、もちろん俺も腹減ってるからだけどね」
うざいだけかと思ってたのに、ちゃんと笑いながら受け答えしてくれる。
「お兄ちゃん達にね、彼女作るな！って言ったのに、あたしだけ勝手に彼氏出来ちゃって。なんか悪いな～って。でもさ？いい子なの、マネも知ってるでしょ？別れる理由がないんだよね。いいのかな？」
「Aんとこの兄妹は特別仲良いけど、普通の兄妹なら、勝手にすれば？ってもんだぞ？本当に困ったら、事務所権限で俺から言ってあげるよ？」
「それは...もしもの時でいいや」
「あ、そう？いい手だと思ったのに。ま、本音は仕事の邪魔はしない程度にしてほしいよ」

疲れるから考えるのを、もうやめたくなった。
「なにマネージャーみたいな事言ってんの！？ウザいっ！」
「Aは生意気なくらいでいいんだよ」
どうもありがと～、適当にはぐらかして事務所を後にした。
実際CMと動画など立て込んでいて、少しいつも通りに仕事がしたかった。

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事務所を出ると、りっちゃんにばったり会った。

なんだか猛烈に仕事を忘れさせてくれる存在感に、思わず抱きついた。
「りっちゃ～ん！神なの！？何してるのここで？」
「うざがらないAって、な～んか久しぶりだね」
そういうと頭を撫でてくれる。
「兄者のストイックさにやられてそう。顔に書いてあるよ？」
「そういう訳じゃないけど、りっちゃんのその緩さはすごくいいね」
側になっちゃんがいるのに気づかなかった。
「あら。相変わらず仲良しさんね？」
「出た！イケメンなっちゃん！あんまりこっち見ないで緊張するからっ...」
りっちゃんの後ろに隠れる。

やっぱりモデルは零くんで正解だ。
イケメンにじっと見られるのも話すのも苦手。

あたしはなっちゃん相手でも、まだまともに話せないんだから。