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昨日帰りが遅かったからか、ご飯をちゃんと作ってくれた後に零くんはソファーで本を読みながら寝てしまった。
本を退けてあげても、全然起きない。
シャツを捲っても起きない。
まずは零くんから先に付けてあげよう！
...付け方が分からなくて噛み付いて吸おうとしたら、頭を捌かれた。
「なんだよいきなりっ...痛ぇーな！」
「...今日マネに言われたんだ、お兄ちゃんに彼女できたら嫌でしょ？って。だから同じ事しておこうかと思って...？」
叩かれたところを、悪かったな、と撫でてくれる。
「何でそんな話になったんだよ？」
「ひよちゃん先輩がこれ見て、反応したからかな」
「へぇ〜、効果あるんだなソレ？」
「だから零くんとりっちゃんにも付けておこうと思って！」
零くんは、少し面白そうにシャツを捲りあげる。
一生懸命やってるのになかなか付かない...
「馬鹿だな〜吸うんだよ。エステの吸引カップみたいに」
あぁ、と思い吸おうとして...止めた。
「そういえばなんで2人は付け方知ってるの？萎えたわ〜もういいや...りっちゃんにも付けるのやめとく」
これ以上詮索すると、知りたくないお兄ちゃん達の恋愛事情に繋がっても嫌だし。
音楽を聴こうとイヤホンを取ると、零くんは邪魔してくる。
「なに？」
「早く付けろよ、腹冷えんだろ？」
「だからもう興味ないって！いいよ、服直して」
「なんでだよ？俺も1番欲しいんだけどな〜」
「付けた事はあっても、付けられた事はないの？」
「なんの事だよ？どっちもねーし。お兄ちゃん待ってるんだけどな〜」
えっ！どっちもないんだっ！って事は...彼女いないじゃーん！
走ってって、シャツを脱がしかけると零くんは慌てる。
鎖骨の下に思いっきり長く吸いついて最後に噛み付いた。
「ま、脱がないですればバレないけどな？」
また騙されたのかと腹が立って、思いっきり噛み付いた。
「冗談。お前ばっかずるいよな〜本当欲張りだな。Aは凛月にこんなに本気で噛み付けねぇーだろ」
確かに...りっちゃんには本気で噛み付けない、かも。
零くんのお腹はあたしの歯形でアザができていた。
「ごめん。痛かった？」
「いいって。Aがそこまで怒るなら、俺も彼女はいらねーな」
「ダメだよ彼女は」
ご褒美にソファーで添い寝してあげる。
「そんな嫌なら、彼氏と別れちゃえよ。俺達もその方が嬉しいんだけどな？」
「もう！別れる理由が見当たらないし...そんな嫌ならもっと早く言ってよ」
「お兄ちゃん達が許してくれない、でよくねぇ？」
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作者名：馨 | 作成日時：2020年8月26日 4時
