あんスタ～大好きな兄弟～【朔間零・凛月】 (ページ38)

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今年ES主催の夏フェスにAも当然出る事になった。
かなりの数の出演だ、昼間からのフェスになる。
初っ端はお騒がせで有名なクレビ。
Aの持ち時間は14時半～30分で、俺はなるべく様子をみて介抱するつもりでいた。

「零くん見て～衣装。U.S ARMYっぽい！？踊ってみたしてるし、ニューディが向こうにRock N Rollカバーの許可取ってくれたんだ。この曲ラストだし、編み上げブーツ可愛いでしょ？ゲストバックダンサーは茨さんと漣さんやってくれるって！超贅沢だよねっ！」
「茨に侵略されて、逆にメイン食われんなよ？振りもHip Hop要素か...Aなら最高にハマるよ。倒れた時は呼べよ？」
「うん。でも、突撃・侵略・制覇！で始まるかも？曲的に」
「行けなくてもモニターで見てるからな？」

その日から振り付け師と毎日レッスンで練習していた様だった。
今までより更にAが活躍できるステージになる。
心配は体力のみだ。

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当日は炎天下の下、Aは自分の曲だけで汗の出方がおかしかった。
俺はユニットの打ち合わせで袖までは行けない。

「こはく見に来てたの！？」
「よう似合うてるな。今日は真髄が見れるんやないの？」
「かな？」
ラストの衣装は上着を脱ぎ迷彩のタンクトップに、意外と重さのあるライフルと弾丸バレットを肩から掛ける仕様だった。
そしてAは最後の一曲まで全力で踊った。

駆けつけた時にはマネと桜河が水を飲ませ支えてやっていた。
兄貴としてもう手助けは必要ないのかと、少し物悲しくなる。
「A、兄貴も来てくれはったで」
「零くん？前が見えない」
「背負ってやっから。Aかっこよかったぞ」
頭を撫でてやるが零くんの衣装が、と気にするA。
「どうせライブで汗かくんだからいーんだよ。乗れよ」
頭の何処かで桜河の見本になればと思った。
楽屋まで付いてきた桜河に、一通り処置を説明する。

手を離さないAに、また戻るから桜河に付いててもらえと話す。
「帰りは背負って帰ってやるから待ってろよ」
「ん..零くんも頑張って」
「あれ見たらもう立派なアーティストやで」
「そんな...ただ踊りたい子達の見本だよ」
「そないに真剣になる所、ワシは好きやわ。ここにおるさかい少し寝とき」
「手握っといて」
「甘えん坊やな。ええよ」

全力な分倒れてしまうけど、あのパフォーマンスは多方面から大好評だった。

「やっぱ零くんがいい！りっちゃん連絡ないし～」
帰ると久々に一緒に寝たがり、内心少し安心した。