あんスタ～大好きな兄弟～【朔間零・凛月】 (ページ2)

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朔間家は日光に弱い。
兄妹では凛月兄の次にあたし、そして零くんはまだ良い方。
それもあってか兄は次期当主で期待されている分、あたし達、特に凛月兄の面倒をよくみていた。
あたしも可愛がってはもらっているけど、やはり男兄弟だからなのか...凛月兄には甘かった気がする。

ずっと、ずっとそれを目の当たりにしてきた。

両親は凛月兄には零くん、あたしには欲しがる物を与えてくれた。
でもあたしは正直、凛月兄と同じだけ側にいてほしかった。
友達の話を聞いていても一番下が一番可愛がってもらえるみたいなのに...うちでは一番体の弱い凛月兄が可愛いがられていた。
零くんと遊んでいても凛月兄に呼ばれると、零くんはすぐに側にいってしまう...
羨ましくて、それでも我慢していた。
零くんだけじゃない。
ほんの少しでも、あたしにも頼って欲しかったのに。

『ずっと一緒にいてよ』

そう言われたのは、零くんだった。

それをある日、高校生の兄が裏切ったと凛月兄は零くんを怒った...
兄は大変な時期だったのを話を聞いていれば分かる。
そんな時まで、あれだけ自分だけを可愛がってくれた零くんを傷つける様な我儘な言葉をぶつけた。

あたしは理性よりも体が勝手に動いてしまった...

「りっちゃん...ごめん...でも、零くん今大変だしあたしもいるし...」
「は？なら最初から口で言えばいいでしょ。何のために口がついてるわけ？にしても、お兄ちゃんに手あげるなんて、妹としても女としても最低だよね～？そんな奴に頼る訳ないでしょ」
「手あげなくても...いっつも零くんじゃん。りっちゃんには妹は必要ないでしょ？」
零くんが止めに入るも、火に油だった。

その頃から、俺には兄弟はいないと言い始めて兄を遠ざけた。
内心は寂しいんだとあたしは知っていた。
けど、あたしに対しては視界にも入れなくなった。
零くんには憎まれ口を叩くけど、あたしは空気に。

「凛月も本音じゃないんだ、俺が過保護にしすぎたせいだな...」
「零くんの事はちゃんと好きだと思うよ？学校同じなんだし面倒よろしくね...」
「お前、夢ノ咲来ないのか？」
「...秀越にしようかと思ってるよ。あたしまで夢ノ咲入ったら、零くん仕事増えちゃうし？」
零くんは頭を黙って撫でた。
「困った事があったらいつでも言えよ？しっかし、秀越かぁ...俺は面倒事は近くで起きてる方が楽なんだけどな...」

そして零くんはまた海外に...
凛月兄の無言が、すごく悲しくて辛かった。
早く寮に入る事が目標だった。