6つ子は"王"を探してた

8日目 ページ9

いま、Aは危機的状況である


この状況を簡単に説明すると

顔を見られてしまっている

〜数分前〜

一松「ねぇ、とりあえず早く始めよ」

そう言うと一松、十四松、トド松が動き出した

『ふーん。結構いい動きしてるけどさぁ、結局その程度？』

そう言いながらAは3人の攻撃を綺麗にかわす

そして1人ずつ確実に

トド松「ｸﾞﾌｯ」

そういうと桃パーカーは地面に倒れ込んだ

｟……強いけど私が負けるような相手じゃない。強いていえばそうだなぁ｠

『上の下』

思わずそう呟いた


そうして、あっさりと残りの2人も倒してしまった


Aは今までの中で1番楽しい喧嘩をたった今終えた

きっと残りの3人はもっと強い

そう考えると心臓が高鳴る

思わず顔が緩んでしまう

周りを気にすることなどできない

自分が今どういう格好をしているのかさえも気づかない


Aの格好はパーカー1枚とジーンズ

顔を隠しているのはパーカーの帽子だけ


喧嘩していれば脱げてしまうことだってある


〜そして現在〜

Aは自分の顔を晒している

『あ、えっと……その、これは』


Aは学校では前髪を下ろしていて顔がほとんど見えない

まぁ、いわゆる 陰キャ と呼ばれるものの類

好きでそうしている訳では無い

ただ、Aはそうすることしか出来ないのだ


しかし、今は喧嘩中しっかり相手が見えるように前髪をとめている

顔が丸見えだ……

バレてしまったと思い、思わずAはおそ松達3人の方を見る


3人は動かない

顔を真っ赤に染めたまま

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