10日目 ページ11
？「こっち来ないで」
ごめんなさい……
？「Aといると不幸になるから」
ごめんなさい……
？「もっとしっかりしなさい」
ごめんなさい……
どうして、どうすれば仲良くしてくれるの？
どうして、私と一緒にいるとみんなは不幸になるの？
どうすれば褒めてくれるの？
『っ、んー。ここどこ？』
私は目を覚ました途端、いつもと違う光景が目の前に広がっていることに気づき、そう呟いた
見には涙が溜まり、頬を伝って零れた
いつもとは違う和風の部屋
｟私、何してたんだっけ｠
Aはあたりを見回しながら必死に思い出そうとする
確か、路地裏で挟み撃ちされたからとりあえず港に逃げて
それから自己紹介聞いて
紫と黄色と桃色のパーカーと喧嘩して
そうしたら、
顔を、見られて
それから、
『顔……顔を見られた』
Aは確認のため自分の頭を触る
フードの感触がない
どうすれば
バレてしまった
私が"王"であることに
とりあえず逃げなければ
Aは部屋に外へと繋がる窓があることに気づき、駆け寄った
外は既に明るくなっていた
静かに窓を開け、窓枠に足をかける
そして、飛び降りようとした瞬間
???「ちょっちょっとちょっと何してるの！？」
その声の主は、Aが来ていたパーカーを掴み、部屋へと引き戻した
Aが振り返ると、そこには桃色のパーカーを着たトド松がいた
トド松「何してるのさぁ」
『えっと、逃げようと思って 桃色パーカーはどうしてここに？』
Aがそう言うと、トド松は腹を抱えて笑いだした
トド松ｱﾊﾊﾊ「何その桃色パーカーって ダサいよ 僕 トド松 って名前なのに」
部屋中を転げ回りながら笑うトド松はあの時のおそ松を思い出させる
｟意味がわからない どうして笑うの｠
なんだか釈然としない
Aは頬を膨らませながらトド松を睨む
しばらくしても笑い続けるトド松を見て、Aは逃げられるのではないかという考えに行き着いた
先ほどと同じように窓枠に足をかける
しかし、それは紫のパーカーを着ている奴に邪魔されてしまった
一松「トド松 これどういう状況」
気だるそうに発せられる声
｟タイミング最悪だよ 紫パーカー｠
私は心の中で文句を言った
続く
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作者名：くろねこ^._.^ | 作成日時：2018年11月10日 1時
