【◇】成宮鳴は一途らしい。

６．指輪 ページ6

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「そうそう！ なるくんにあげようと思って持ってきたんだよね」




練習が終わって俺の部屋でひと通り「すごい」を連発したあと、思い出したようにカバンの中を探り始めた。

…………青道の制服、悪くない。
スカートが短いのはグッドだけど、
俺以外が見てると思うと気に食わねぇ。




「はい、コレ」

「なにこれ？」




Aがカバンから取り出したのは、
ペアリングっぽいものの片方。

不思議に思ってると
「私とおそろい！」って無邪気に笑った。




「すっげぇ嬉しい」

「引越してすぐくらいに見つけて、
次会ったら渡そうと思ってずっと持ってたんだよ」




…………俺のこと好きだったってことかな！？
平常心を装いながら心の中で脳をフル回転させる。

シルバーのシンプルなリングは、
特別魅力を感じるようなデザインじゃない。

…ってことはそうしか考えらんないでしょ！




「ほら見て、私いつも付けてるんだよ」




服の中からネックレスにした俺と同じリングを出してニコッて笑う。

あ゛ー天使
マジ天使




「そういえばさぁ、一也と付き合ってんだね」

「えっ。…………うん」




真っ赤な顔で俯きながらそう言う。




「いつから？」

「１年生の夏…かな」

「どっちが告ったの？」

「か、一也」

「好きなの？」




「うん…………ってなんでそんなに質問するの！」




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────好きだから。




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今はまだそんなの言うタイミングじゃないことくらい分かってるから、

「なんとなくｯ」って誤魔化して笑った。




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