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別に特にやりにくい仕事内容でも無くて、普通の接客業って感じ。ただ、数人の客にウザ絡みされて鬱陶しいぐらい。あとは、以前の女メイドはどこだって聞かれたり。
聞いてる本人がお前の探してるやつなんだよ。
侑李も困った感じじゃないしあと30分ほどでバイトも終わる。すみませんって呼ばれて向かう。
「あれ？君もしかして入学式の子だよね？」
こういう感じでウザ絡みしてくるから面倒臭いんだよ。適当に流さないと。
『はい。そうです。なにかご注文はございますか？』
「俺さ1回君と喋ってみたかったんだよね」
こっちはお前と喋りたくねぇんだけど。ぐいって手首掴まれて隣に座らせられる。流石にこれはまずい。即座に離れようと立ち上がると腰に手が伸びて引かれる。ゾクって嫌悪感が身体中に走る。腰周りを撫で回すみたいに触られてきもい。
『すみません。業務中ですので』
「えぇ？案外真面目なんだね」
仕事だっつってんだろ。今すぐにでも腕を折りたいけど客にそんなことできねぇし身を捩って逃げる。客の事しか見てなくて前を向いてなくて人にぶつかる。
『すみません』
「大丈夫ですか？Aさん」
ジェイド先輩に腕を掴まれて無理矢理立たせられる。顔の距離が結構近くなるけど凄いキレた顔してて低く、冷たい声で何してるんですか？って客に話す。
「ここは僕がするのでAさんは戻って貰って大丈夫ですよ」
ころっと表情を変えて優しい笑顔で笑いかける。直ぐに撤退して裏に戻る。他の子達も数人いてもうあがっていいよって言われた。制服に着替えてジェイド先輩が戻ってくるのを座って待つ。仕事と言えど助けて貰ったし、ちゃんと対応出来なかった私が悪い。仕事の出来ない人間は私が1番嫌いなのに私がなってどーすんだ。
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作者名：田中 | 作成日時：2020年5月24日 1時
