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『ちょ、だから。近いんだって…！』
「小エビちゃん昨日から思ってたけど。力弱いよね」
『フロイド先輩が重いだけですよ。いつまでこの距離でいるんですか！？』
「俺はずっとこのままでもいいけど」
『っ……、ふざけてます？』
あぁ。もう、ほら。こいつといるとほんとに調子が狂う。バレた？冗談だよって言ってベットに座る。ドキドキと心臓が響いて煩いし顔まだ赤い。これで意識して無いとか言う方がおかしいんじゃねぇの。
「機嫌直してよ小エビちゃん」
『機嫌悪くないです。強いて言うなら仕事して下さい』
「だって男用着てるじゃん」
『男ですけど…』
モストロ・ラウンジでのバイトが今日から始まる。フロイド先輩達と裏方で作業をしてるんだけどフロイド先輩が駄々を捏ねて仕事をしない。こいつなんでいるんだよ…。
「こちらお願い出来ますか？」
『あぁ。はい』
ジェイド先輩の手が触れて身体が強ばる。フロイド先輩よりジェイド先輩の方が怖い。腹ん中で何考えてんのかわかんないからほんとに下手なことが出来ない。じーっと私の手元を見てて気が散ってやりにくい。
『な、なんですか』
「いえ。手際が良いなと思ってですね」
『ありがとうございます…』
昨日の事があるから少し気まずい。何考えてんのかまじわかんねぇよ。この人。作業をしてるとフロイド先輩に後ろから抱き締められる。
俺のなんだけど、ってジェイド先輩に言う。ジェイド先輩は苛立った顔で何言ってるんですか？って喧嘩してるけど誰のもんでもねぇよ。
『あの。喧嘩するんじゃなくて仕事して下さい』
「ちょっと黙ってて」
「少し黙っててください」
こいつらマジでなにやってんの？もう、いいわ。ジェイド先輩すらも仕事しなくなったからジェイド先輩の分までやって下準備を終わらせて2人の喧嘩を眺める。喧嘩の理由は私の事で見てるだけで恥ずかしい。
『時間ですよ！仕事しない人私大っ嫌いです！』
「フロイド…。早く行きますよ」
「分かってるっつーの」
2人とも機嫌が悪そうに表に出て行く。こういう所が同じでやっぱ、双子なんだなぁって思った。私も2人の後に続いて表に出る。
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作者名：田中 | 作成日時：2020年5月24日 1時
