私の親は歌い手で、友達だった【歌い手】

39day ページ42

あるふぁきゅん。side

響妹が居る教室に戻ると、
予想通り寝ていた
ちゃんとプリントはしているけど

プリントの丸つけでもしておこうか
......いや、間違い二つだけって
こいつ、学校来てなかったよね？

『うーん、待って、待ってよ。置いて、行か、ないで』

寝言？
のわりにはすごい
ハッキリしてるけど

どんな夢を見ているのだろうか
悲しい夢？
寂しい夢？
まあ、寝言からしてどっちかしかないよね

七冷side〜夢の中〜

気が付くと、
暗い場所に一人で立っていた

少し歩くと前の方に
くろとか、まふとか
他にも歩いていた

追いつこうとして走るけど、
どうしても追いつけない

すると急に止まって、こっちを見る
そして、今まで一言も言葉を発さなかった
まふが喋る

まふ「七冷も置いていったでしょ？だから、僕達も同じことをする」

何の事かなんてすぐに分かった
そして、それが全て自分の
"自業自得"
ということも

それでも、縋れずにはいられない
どうせ追いつきやしないのだろうけれど
それでも、走って追いつこうとする

歩いている中に
にいを見つけて、
いつでも味方になってくれた
にいも行ってしまうのかと思い、

『にいも行くの！？』

と叫ぶ

するとにいは振り返り、
"当たり前だろ"
とでも言わんばかりの顔をこちらに向ける

そしてすぐに前を向き、
また歩き出す

私はその場に崩れ落ち、
泣いた
もう誰にも聞こえないだろう

周りには誰も居ないのだから
それでも、それでも、
声を出す

『ねえ。待って、待ってよ。ゴメンなさい。置いて、行かないで』

誰か、私の叫びが
私の悲しみが聞こえますか

40day→←38day

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す