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松葉杖片手に、もう片手にお盆を持って自室に戻る。
正確にはお盆じゃなくて、西洋風の…なんて言うんだっけ?
名称を考えながらお待たせしましたと扉を開けたら、菊地原くんと出水先輩がギョッとした顔でこっちを見てきた。

え、何、何?

「は?本気で馬鹿じゃないの?使用人に頼みなよ…1人で持ってくるとか怪我人のする事じゃないから」

菊地原くんが僕からお盆を取り上げる。

「や、だって…あの人達は父親に雇われてる人達であって僕が雇ってるわけじゃないし…」

「普段は父親の金使ってやるーって言ってる癖になんでそこで遠慮するの…」

「あの人達に追加で賃金が発生するわけじゃないから……」

菊地原くんが深く深くため息を吐く。
あれ…?僕何か間違ってる…?

そのまま、菊地原くんは飲み物を机に運び、出水先輩にも渡すと、僕を指差してきた。

「こんな調子なんで、ほんと、お願いします」

「あー、うん、すげーよく分かった」

「2人して何の話ですか?!」

えっ、何、2人だけの間で何か通じるものが今あったの?というか菊地原くん出水先輩といつのまに仲良く…?!羨ましい!!

ギリッと菊地原くんを見れば、可愛そうなものを見る目で見返された。

「尊の大好きな先輩取ったりしないよ…というか要らない」

「?!っだ、からぁ、なんでそういうこと出水先輩の前で言うの…っ」

羞恥心から菊地原くんの肩を掴んでガクガク揺らせばめんどくさそうにされた。
顔に熱が集まっているのがわかる。

「あー、尊」

「は、はいっ?!何でしょう出水先輩…っ」

名前を呼ばれて、緊張から声が裏返ってしまう。
いやほら…唯一の先輩から嫌われたりとかしたらさ、うん、ガチでぼく死ぬと思う。
ぼっち脱却云々言ってたけど今は純粋に出水先輩が好きだし…。

出水先輩がちょいちょいと手招きをするので、緊張したままゆっくりと近づく。
え、何だろう…。
おずおず出水先輩の目の前に正座すれば、そのまま頭に手を伸ばされ…思いっきり撫でられた。

「?!」

「よーしよしよし、尊は良い子だな〜」

何事?!今日1日で僕撫でられ過ぎじゃない?!

訳がわからず菊地原くんを見たら、僕が持ってきたアイスを食べながら口パクで『馬鹿』と言われた。

解せぬ。

「尊はもう俺に何も隠さなくて良いし寧ろどんなに小さい事でも報告しろ〜
積極的に甘えに来い」

撫でながら子供に言い聞かせるように言われて、僕は戸惑いつつも頷いた。

充分甘えてると思うんだけどな…。

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アップルパイになりたい(プロフ) - 更新待ってます! (2023年1月30日 15時) (レス) @page46 id: fcb69bf060 (このIDを非表示/違反報告)
例のやつ - 面白くて腹筋痛い…続きをお待ちしております! (2021年11月7日 21時) (レス) @page46 id: 5d3b9960b6 (このIDを非表示/違反報告)
そらちゃんです!!(プロフ) - 応援してます! (2020年6月19日 10時) (レス) id: c4f3cb5b0b (このIDを非表示/違反報告)
美桜琉(プロフ) - 面白すぎて1話から一気読みしちゃいました!笑 更新待ってます!頑張って下さい! (2019年11月2日 17時) (レス) id: 95c48d4791 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ豆(仮)(プロフ) - 更新待ってます! (2019年5月11日 22時) (レス) id: 97b4437434 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こんにゃくの様な何か | 作成日時:2019年3月11日 18時

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