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(出水公平視点)

盛大に涙を流す尊の頭をいつもより優しく撫でてやると、尊は目を大きく見開きこちらを見てきた。

丸くなった目からは依然ポロポロ涙が落ちていて、俺の姿が映り込んでいる。

「その怪我は人を助けた結果だろ?ちっとも情けなくなんかねぇよ
むしろやっと顔が見れて安心した
俺がお前を嫌う事なんてねぇから安心しろ」

「……!…うっ、い、出水先輩〜っ!!」

俺の腹に抱きつきさらに泣き出してしまった尊を受け止める。
トントンと背中を軽く叩きながら、菊地原の方を見た。

「…尊って泣き虫だったのか?」

「憧れの先輩の前では良い格好したくて隠してますけど、割とよく泣きますし痛みがめちゃくちゃ苦手でヘタレなビビりですよ」

「な"んでいゔのぉおおお"ぉ…っ」

俺に抱きついたまま泣きながら菊地原に怒る尊…しかし否定はしなかった。

…そうだったのか。



玄関でいつまでもそうしているわけにもいかず、未だ泣きつつも、尊は俺の手を引き部屋に案内してくれた。
というか、不謹慎ながらも後輩にここまで好かれていたとは知らず嬉しく思う。

尊の部屋は広く、部屋の奥にも扉があった。そっちは寝室だそうだ…。
部屋にはたくさんの本が並べられていて、部屋の作りは如何にも、な雰囲気だ。
しかし、尊のイメージにはあまり合わなかった。

もっとオシャレな雰囲気の部屋を普段の私服から予想していたが、まるで教授とか大学の部屋…というより、図書館の様だ…なのに、そこに居る尊の存在は部屋に引き立てられいつも通りの美人っぷりだった。

怪我の手当ての跡すら、儚さが出ている…まぁ、口を開けばいつもの尊で安心するが。

「落ち着いたか?」

「うぅ…お恥ずかしい姿を見せてしまってすみません」

「だーかーら、泣いても恥ずかしくねぇって
つーか隠し事される方が凹む」

菊地原は色々知っている様子だったが、よく考えれば俺は『ボーダー隊員としての尊』しか知らない。

「隠し事というわけでは…!あのですね、こう、憧れてる先輩の前では少しでも良い格好しておきたいといいますか、ちっぽけなりにもプライドが、ありまして…っ」

慌てた様に否定する尊の言葉は本心だと分かる。
でも、俺からしたらどんな尊でも、尊であることに変わりはないし可愛い後輩だ。

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アップルパイになりたい(プロフ) - 更新待ってます! (2023年1月30日 15時) (レス) @page46 id: fcb69bf060 (このIDを非表示/違反報告)
例のやつ - 面白くて腹筋痛い…続きをお待ちしております! (2021年11月7日 21時) (レス) @page46 id: 5d3b9960b6 (このIDを非表示/違反報告)
そらちゃんです!!(プロフ) - 応援してます! (2020年6月19日 10時) (レス) id: c4f3cb5b0b (このIDを非表示/違反報告)
美桜琉(プロフ) - 面白すぎて1話から一気読みしちゃいました!笑 更新待ってます!頑張って下さい! (2019年11月2日 17時) (レス) id: 95c48d4791 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ豆(仮)(プロフ) - 更新待ってます! (2019年5月11日 22時) (レス) id: 97b4437434 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こんにゃくの様な何か | 作成日時:2019年3月11日 18時

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