77 ページ28
「でも太刀川さん、暴れられるか分かりませんよー?尊の機動力考えればマジで1人で一網打尽コースもありえますって」
「い、出水先輩、買い被り過ぎですよ…!相手はみなさんA級なんですから…!」
肩を組まれ慌てる。
「なぁーに言ってんだ!俺に勝っておいて他の奴に負けたら承知しねぇぞ?」
「も、もちろんです!ここまできたら無傷記録続けるつもりなので!」
「謙虚なのか自身家なのかわかんねぇ奴だなぁ」
出水先輩にうりうりと頬を潰される。
けれど、みんな緊張を解そうとしてくれているのは感じられた。
「尊君のデビュー戦って事で観客がいつも以上に多いよ〜人気者ですなぁ」
宇柚さんにからかわれて苦笑する。
そろそろ、ランク戦が始まる。
ゆっくり目を閉じる。よし、大丈夫。
目を開ければ、転送されていた。
市街地…相手にはスナイパーが居たけど…。
僕は敢えて、身を隠さずに出水先輩の方へ向かう。合流を目指すわけではないが、僕が目指しているのは『チームの完全勝利』だ。
誰も撃破させない。そのためには…ほら、撃ってきた。
「みぃつけた」
狙撃を避け、瞬間、改造したレイガストのスラスターで一気に飛び立つ。
トリオンをつぎ込めばつぎ込むだけ、速さの上がるスラスター。
さらに、方向の微調整は僕の反射神経頼りだが、より精密な動きができるようシールドモードの形状を少し弄った。
その速度はまるでベイルアウトする光の様に見えた事だろう。
狙撃手の真後ろまで飛ぶ。
その場でレイガストを手放し、カメレオンを発動させた。
相手との距離を詰め、拳を叩き込む。
トリオン体同士だ、衝撃は入る。
相手の体勢が完全に崩れたところで、スコーピオンで頭を落とした。
1人。
狙撃手は、あと2人居たはず。
少し考える。
…なんか、あっちに居る『気がする』
この感覚、信じていい。
落ちてきたレイガストをキャッチし、また、飛ぶ。
家屋の上をひとっ飛び、視界に、人影。
ビンゴ。
僕は片手のレイガストを口に咥え、バイパーを放つ。
相手はシールドを張った。
誘導はオッケー。
更にレイガストで飛び、もう一度バイパーを放つ。
相手は逃げられない様にするための牽制だとでも思っているのだろう。
さっきと同じ様にシールドで防ごうとする。
半分正解。半分不正解。
バイパーの中に『混ぜた』レッドバレットが、シールドをすり抜けスナイパーの命とも言える両腕に命中した。
353人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ワールドトリガー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アップルパイになりたい(プロフ) - 更新待ってます! (2023年1月30日 15時) (レス) @page46 id: fcb69bf060 (このIDを非表示/違反報告)
例のやつ - 面白くて腹筋痛い…続きをお待ちしております! (2021年11月7日 21時) (レス) @page46 id: 5d3b9960b6 (このIDを非表示/違反報告)
そらちゃんです!!(プロフ) - 応援してます! (2020年6月19日 10時) (レス) id: c4f3cb5b0b (このIDを非表示/違反報告)
美桜琉(プロフ) - 面白すぎて1話から一気読みしちゃいました!笑 更新待ってます!頑張って下さい! (2019年11月2日 17時) (レス) id: 95c48d4791 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ豆(仮)(プロフ) - 更新待ってます! (2019年5月11日 22時) (レス) id: 97b4437434 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こんにゃくの様な何か | 作成日時:2019年3月11日 18時