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(菊地原士郎視点)

自販機前で盛大な演出がされていた。

みことが手に持ってる缶コーヒーとミルクティーが少し間抜けだが、それよりも話題性がすごい。
ラウンジに一気にざわめきが広がる。

みことは大抵の隊員から好かれている。
礼儀正しく、模擬戦で連勝しても鼻にかけない謙虚さ…というか、本人がそうしないといつか模擬戦してくれる人いなくなっちゃうかもと自分のポジティブキャンペーンをちゃんとするよう意識していると話していた。
そういうところは計算高いと思う。

ただ、一定多数からは妬みや恨みを買っている。そりゃ、パッと見聖人な天才なんて格好の的だろう。
ぼくもみことの性格を知らなかったらウザい真面目ちゃんだと思っていただろうし。

みことが缶コーヒーをこっちに差し出しながら戻ってくる。

「菊地原君、菊地原君!僕もついにチーム入りだよ!」

「良かったね」

二重の意味で。

父親から出された条件を達成できたことと、元々チームという憧れていたものに入れた事に対して。

ぼくの素っ気ない言葉でも、伝わった様でさらに破顔する。周りの視線がみことに突き刺さってるの、気づいてるのかな…。

「あとはランク戦で太刀川隊に相応しいって他のボーダー隊員の人達に認めてもらえるよう頑張る!」

「…みことって、自己評価低いよね」

度々感じる、卑屈とかではなく、自分が優れていないという思い込み。
まぁ、家庭環境の話を聞いている僕からしたら、誰かにほめられる事がなさ過ぎた結果だってのは分かりきってるけど。

「そう?でもワクワクするよね、ランク戦!」

「でたよ…めっちゃビビってるヘタレなくせにガチで楽しみにしてる変態…」

「相変わらず酷い…あ!風間隊とのランク戦も楽しみにしてるね!なんやかんや菊地原君とは模擬戦一回もできてないし、何より風間隊デビューのランク戦だもんなぁ…
いや、僕もランク戦初デビューなんだけど…」

ぼくはみことの発言にギョッとする。

「A級とB級はランク戦しないって分かってる?」

「え、当たり前じゃん…でもほら、菊地原君を選んだ風間さんの隊だよ?
A級なんて直ぐでしょ
風間さん本人も強かったし…

何より、菊地原くんもすごく頑張ってるし、僕、絶対負けないよ!」

まだA級にも上がってないチームに宣戦布告するって、やっぱり馬鹿だと思った。

けど…まぁ…。

「なら僕がみことの無傷記録終わらせてやるよ」

柄にもない事言ってみても良いかなとは思った。

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アップルパイになりたい(プロフ) - 更新待ってます! (2023年1月30日 15時) (レス) @page46 id: fcb69bf060 (このIDを非表示/違反報告)
例のやつ - 面白くて腹筋痛い…続きをお待ちしております! (2021年11月7日 21時) (レス) @page46 id: 5d3b9960b6 (このIDを非表示/違反報告)
そらちゃんです!!(プロフ) - 応援してます! (2020年6月19日 10時) (レス) id: c4f3cb5b0b (このIDを非表示/違反報告)
美桜琉(プロフ) - 面白すぎて1話から一気読みしちゃいました!笑 更新待ってます!頑張って下さい! (2019年11月2日 17時) (レス) id: 95c48d4791 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ豆(仮)(プロフ) - 更新待ってます! (2019年5月11日 22時) (レス) id: 97b4437434 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こんにゃくの様な何か | 作成日時:2019年3月11日 18時

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