《マギ》赤き羽の黒い天使 三章(半年編)

日常その四十二 かわいいものにはギュッてしたくなる ページ43

蛇「少し強引どころやないやろ。


かなりヘビーな脅しやろ。」



あ「脅しなんかじゃないわよ。


・・・・・・早くあたしにマネーを寄越しやがってください。」



蛇「どう考えても脅しとるがな・・・」



兵「あの、A殿。


お二人で盛り上がらないでください・・・。


俺たちまで陛下に叱られるんで。」



見ると、周りにいた兵たちは微妙な顔で彼女と黒蛇を見ていた。


二人の会話は、まるで打ち合わせでもしていたかの様なノリツッコミである。



あ「悪い悪い。


あ、あたしの腕輪は？」



彼女は軽く謝ると、自分が紅炎に預けた腕輪を返して貰おうと探す。



兵「こちらです。」



兵は彼女の腕輪を隣の兵から受け取り、彼女に差し出した。



あ「ん。


ねぇ、これ預けてから何分ぐらい経った？」



彼女は腕輪を受け取り、腕に付け直しながら言った。



兵「じゅう・・・三分ぐらいでしょうか。


申し訳ないですが、正確にはわかりません。」



あ「ぎりぎりか・・・」



兵「・・は・・・？」



あ「いや、なんでもない。


助かったわ。」



彼女は話をはぐらかし、ニコリと笑う。



蛇「その腕輪、なんか仕掛けでもあんの？」



と、黒蛇が彼女の首元からひょこっと顔を覗かせた。


周りの兵は突然の事に驚き槍を向ける＿＿＿＿が、彼女が「問題無い。」と合図を出すと、兵たちは槍をおとなしく収めた。



あ「まだいたんだ？」



蛇「もう帰るで？


その、“魔力逆流防止弁”の事聞かせて貰うたらな。」



あ「あら、なんの事かしら？


頭とか目とか頭とか狂ってんじゃない？


抉ったら治るかもしれないから殺ってみようよ。」



蛇「ん？ヤんの？」



あ「死ね★」



彼女はニコリと黒蛇に黒い笑顔を向けた。



蛇「自分可愛いらしい顔して毒舌やなぁ。


まぁそんなんも嫌いやないで。」



あ「うっせぇ仮面野郎。


後、その仮面不気味だからあんま近づくな。」



蛇「あ、怖がっとんの？


かわいいなぁ、ギュッてしたなるわ。」



と言いつつ、黒蛇は既に彼女の腰に手を回している。



あ「触んな、けがれる。」



蛇「ええやんええやん。


って、自分ええカラダしとんなぁ〜。」



あ「発 情期か十八禁変態仮面男が。」



蛇「・・・“黒蛇”て呼んでくれへん？」



彼女は「断る。」と即答し、プイッとそっぽを向いた。



兵「あの、お二人でイチャイチャしないでください。」



あ「あ"ぁ？


絞め殺されたいのか貴様。」

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