日常その十七 寝てる奴に薬を飲ませるにはどうするのが最善かなーなぁんて・・・ ページ17
しばらくして彼女は部屋に戻って来た。
その手には、大きめの容器に入った水・布と、風邪薬と書かれた小さな紙袋があった。
あ「えっと・・・
しっつれーしまぁす。」
そう言って彼女はジュダルに掛かっている掛け布団を少しずらした。
すると、頬が赤く染まったジュダルが辛そうな顔で寝ていた。
彼女は熱がどの位なのか確かめようと、ジュダルの額に軽く右手を添えた。
あ「あちっ・・」
予想以上に熱かったので、彼女はつい声を上げてしまった。
ジュダルを起こしていないか確認すると、布に冷たい水を染み込ませておでこにそっと乗せた。
あ「・・・・・・薬、どうしよう・・・・」
そう、これが最大の難関。
寝ているジュダルにどう薬を飲ませるかだ。
あ(うーん・・・水と一緒に流し込むか?
いや、むせて死ぬな。←
口移しは・・・)
その直後、彼女はジュダルと同じ様に頬がカアアッと真っ赤に染まった。
あ(・・・か、考えなかった事にしよう、うん。
薬はジュダルが起きてからだ。)
*
スゥ・・・ スゥ・・・
カサッ・・
ジュダルの小さな寝息と紙と紙がこすれ合う音が混じる。
閑散とした空気が立ち込める部屋で、ジュダルは目を覚ました。
発熱で頭は霞みかかったように鈍く、意識がはっきりとしない。
ジュ「・・・んッ・・」
あ「あ、ジュダル起きたんだ。」
目の前が霞んでうまく視点が合わない。
再度瞬きを繰り返すと、今度はしっかり目の前が確認できた。
あ「体大丈夫?」
可愛らしく小首を傾げる彼女に、ジュダルの口元は緩む。
手元に本がある所を見ると、さっきまで読んでいたのだろう。
あ「・・・まだしんどいの?」
ボーッと彼女を見つめていた事に気づき、ジュダルは「はっ」とした。
ジュ「あ、あぁっ、さっきよりはマシになった。」
あ「それは良かった。
薬あるけど飲んだ方がいいよね、飲める?」
彼女は持っていた小さな紙袋をジュダルに見せる。
ジュ「あぁ、飲める。」
ジュダルは彼女から薬の入った紙袋を手渡されると、少しの間黙ってから口を開いた。
ジュ「・・飲めねぇ。」
あ「・・・・・・はいぃ?」
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にゃんにゃん子猫(プロフ) - 閃光の舞姫さん» ありがとうございます(笑) その約束はずっと後に・・・言い過ぎましたね。 楽しみにしておいてください♪ (2013年7月19日 20時) (レス) id: a7231b0c94 (このIDを非表示/違反報告)
閃光の舞姫 - 紅覇くんに主人公が「何でも言うこと聞く」と言ったやつh(殴 なんでもないですすみませんごめんなさい・・・・と、とっても面白いです!! (2013年7月19日 20時) (レス) id: 542b6c1a5a (このIDを非表示/違反報告)
練紅鈴 - は〜い(●・▽・●) (2013年7月13日 21時) (レス) id: 2b43f26b94 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんにゃん子猫(プロフ) - 四章が始まりました!是非読んで下さい( ´ ▽ ` ) (2013年7月13日 16時) (レス) id: a7231b0c94 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんにゃん子猫(プロフ) - 練紅鈴さん» 四章でのお楽しみです(=^ェ^=) (2013年7月13日 10時) (レス) id: a7231b0c94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃんにゃん子猫 | 作成日時:2013年6月15日 11時