日常その十六 王道っすね! ページ16
ジュ「どういう事だよ・・・?」
あ「そのまんまよ、こことは違う世界であたしは生まれた。
でも、その世界はあたしの故郷と共に滅びたの。」
ジュ「・・・・・悲しくねーのかよ?」
あ「・・・覚えてない・・じゃないな。
知らないの、故郷がどんな所だったのかも、親の顔も、全て。
ちょっと夢で見ただけだし、故郷がないのは少し寂しいけど・・
なんとも思わないかなぁ・・・?」
苦笑する彼女。
ジュダルはそれが無理をしている様にしか見えなかった。
ジュ「・・夢で見た世界は、どんなだったんだ?」
あ「酷かったよ。
戦争、紛争、差別、貧困・・・
今のこの世界と似てた。
人間ってのは愚かで、悲しい生き物よね。
どこの世界でも同じ事を繰り返すんだもの・・・・・・
まぁただの夢だし、真に受けるなんて事はしないけど。」
ジュダルは何も言わなかった。
あ「ジュダル・・・」
ジュ「・・ん?」
あ「寒い。」
ジュダルは「ハァ・・・」と呆れたため息を吐くと、彼女に持っていたフード付きの上着を渡した。
あ「流石、気が利くね♪」
ジュ「もう寝る。」
あ「うん、お休み。」
*[次の日]
?「フェクッション!」
誰かさんの大きなくしゃみが、帝都の廊下に響いた。
あ「ジュダルドンマイ☆」
ジュ「うっせぇ。」
はい、予想した人もいるでしょう・・・
くしゃみをしたのはジュダルです。
あ「いやぁスイマセンねぇ〜、上着借りちゃったせいで風邪引くとは・・・
王道っすね!」
ジュダルの隣で歩く彼女は、いつもよりもご機嫌らしい。
ハイテンションでジュダルに話しかけている。
ジュ「隣で大声出すんじゃねーよ。
頭いてーんだから。」
眉を潜め、枯れた声で話すジュダル。
こちらは体調が優れていないらしく、ダルそうな足取りと不機嫌な顔つきだ。
あ「ごめんごめん。
だって、あたしだけ風邪引かなかったから優越感に浸ちゃってさ。
まぁ今日は部屋で休みなよ、特別にあたしが看病してあげるから。」
ジュ「あぁ・・・」
*
あ「へぇ、結構片付いてるわね。」
ジュダルの部屋に着き、辺りをぐるっと見回す彼女。
ジュダルは無言で自分の寝床に潜り込んだ。
あ「なんか欲しいものある?」
「ない。」と短く答えるジュダルに、彼女も「そっか。」と短く答えた。
そして少し考えた彼女は部屋を出た。
日常その十七 寝てる奴に薬を飲ませるにはどうするのが最善かなーなぁんて・・・→←日常その十五 あたしはただのちっぽけな人間
131人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にゃんにゃん子猫(プロフ) - 閃光の舞姫さん» ありがとうございます(笑) その約束はずっと後に・・・言い過ぎましたね。 楽しみにしておいてください♪ (2013年7月19日 20時) (レス) id: a7231b0c94 (このIDを非表示/違反報告)
閃光の舞姫 - 紅覇くんに主人公が「何でも言うこと聞く」と言ったやつh(殴 なんでもないですすみませんごめんなさい・・・・と、とっても面白いです!! (2013年7月19日 20時) (レス) id: 542b6c1a5a (このIDを非表示/違反報告)
練紅鈴 - は〜い(●・▽・●) (2013年7月13日 21時) (レス) id: 2b43f26b94 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんにゃん子猫(プロフ) - 四章が始まりました!是非読んで下さい( ´ ▽ ` ) (2013年7月13日 16時) (レス) id: a7231b0c94 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんにゃん子猫(プロフ) - 練紅鈴さん» 四章でのお楽しみです(=^ェ^=) (2013年7月13日 10時) (レス) id: a7231b0c94 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:にゃんにゃん子猫 | 作成日時:2013年6月15日 11時