霧と霞は両思いなのに…【時透 無一郎】

いざ…合同任務 ページ9

Aside
・
来ない...来ない...来ない...！
ほんと、来ない！！！

合同任務の時間になっても
無一郎が来ない。

合同任務の相手が無一郎だと分かって、
意気揚々として集合場所にやって来て
この灰心喪意。

なんなのー！

落ち着かなくなってぐるぐると
歩き回っていたら
私の頭にツンッと何が当たった。

…しかも、何個も何個も
飛んできて、
私の頭に直撃。

『へ？…痛っ、何？』

私に当たった物体は
地面に回転しながら落ちていく。

それを拾い上げて頭を傾げる。

『え…紙飛行機…？』

飛んできた飛行機をよくよく見てみると

"ばぁか"
"後ろだよ何で気づかない訳？"
"そんなので柱、務まるの？"
"のろま、とろい"

はぁ？！

いきなり紙飛行機が飛んできてからの
罵詈雑言ですか？？！

誰よ！？と紙飛行機が飛んできた方向、
つまり後ろに目を向ける。

何となく、誰だか分かるけれども…！

…やはり、
そこにいたのは木の上に登って
こちらを見下ろしている、無一郎だった。

『あーやっぱり、貴方ね！！
はいはい、分かってますよ、
こんな紙飛行機作れるの
無一郎しかいないし。

いや、でもだからって…

はぁ、全く。無一郎って
人の悪口と紙飛行機をただただ
折ることしか、脳がないんだね。

あ、それと簡単な約束も守れない
くらい、頭、空っぽなんだー。
うんうん。きっとそうだ。』

わぁお、口が勝手に…。
って何言ってんだ、私！！
あぁ、最悪だぁーーー……

無「僕、君より早く来てたよ？
(宇髄さんに追い出されたからね)

先に来ていたのに気づかなかった、
Aってほんと、鈍い。

感覚、どうなってんの？本当に柱な訳？」

『柱よ！貴方と同じ！！

っていうか、先に来てたんだったら
私が来た時に教えてくれば
時間ロスにならなかったのに！

柱であれば、少しの時間も惜しいはず。
貴方こそ柱なの？』

無「(いや、だって、くるくる回るA、
めっちゃ可愛かったんだもん。
一生見ていられる、あれは。

でもなんかいじりたくなってきたんだから)
しょうがないでしょ。うんうん…

え、何でニヤニヤ笑ってる訳？
気色、悪っ。

あ、そっかいつも、その醜い顔で
ニヤニヤ笑っているのか。
それが普通なんだね、うんうん。」

早くして遅い、と無一郎は一人でなぜか
納得して先々行ってしまった。

どこまでも、得手勝手な無一郎に
イラッとしたり、
恨めしく思ったりしながらも
可愛らしく思え、無一郎と一緒にまた
会話できた事に喜んでいる自分がいた。

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