好きな人に恋愛相談された【佐野万次郎】

03話 ページ4

.








『無理、精神めっちゃ削られる』


「お疲れ、飴ちゃんあげるわ」









昼休みが終わったということもあり、佐野くんの話を聞くだけで終わってしまった。


たった数分のことだったのに、めちゃくちゃ精神削られちゃうんだけど。









友達から貰った飴玉をまた口の中に放り込みながら机に伏せた。









『多分ね、佐野くんの恋が叶う前に私死ぬと思う』


「まぁそうなるわな。いつも以上に精神使ってんじゃないの？」


『いつもの3倍くらい...』









3倍なんかじゃ済まないかもしれない。


誰か変わってよ。佐野くんが楽しそうに好きな子の話してるとことかもう見たくないんだけど。






でもいつも、相談には大体3日以上は乗ってあげてる。



つまり...後最低でも3日は、佐野くんの恋愛相談に乗らなきゃいけないわけで。









『はぁ...あのイケメンめ、こっちの気も知らないで...』


「試しに告ってみれば？」


『自爆行為でしかない』









恋愛相談してる奴に告られるとか迷惑以外の何物でもない。



好かれなくてもいいけど、嫌われたくはないから。









どうしたものかと頭を抱えていると、やけにルンルンなクラスメイトにそっと耳打ちをされた。









「早瀬さんありがとー！無事に彼との関係戻せたよ！」








それは良かったって笑いかければ、上機嫌に友達の元へ戻っていく。









最近、告白とかそういうのだけじゃなくて、復縁みたいなこともお願いされるようになった。


私は巫女かって。ただの女子高校生なんだよ？JKなんだよ？？？









周りと大差ないはずなのに、私の扱いが"クラスメイト"じゃなくなってきてる気がする。









私だって、恋に悩める一人の乙女なんだけどな。

04話→←02話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す