幼女専用レンタルかれし。【五条悟】

18:ひとりじゃない。 ページ18

.





わたしも泣きやんで、悟くんもちょっと落ちついたみたいだった。

背中におててを伸ばして、ぽんぽんってしてあげる。







「なんだよクソガキ、そんなことされたら情けなくなるだろ」

『悟くんつーじょー運転に戻ったね、お口悪男だ』








そう言ったら悟くんは「うるせ」って。
でもぽんぽんしてるおててを叩いたりなんてしなくて大人しい。えらいね。






....悟くんがこれからもレンタルかれししてくれるなら、わたしはお母さんにぶたれたって泣かない。

だってひとりぼっちじゃないもん。
悟くんが仲間になったわたしは強いのだ。








....って、そのまま伝えてもいいかなってちょっと悩みちゅー。


悟くんはきょくどの心配しょーさんだから、お母さんとバイバイしなきゃいけないようなこと言われるかもなって。







だって、わたしがいなくなったらお母さんもひとりぼっちになっちゃう。








『悟くんにも、大事な人ができたら....』

「は、え急に何の話してんの」

『でもお客としておーえんしなきゃ....』

「なんで俺に関連ありそうなのに情報回ってこねぇんだよ」







なんかとなりでうるさい。顔とか口とかぜんぶ。

小学二年生のちーさな頭でがんばって考えてるんだから急かさないでほしいよね。







『悟くん、せっかちはあんまり良くないよ』

「誰のせいか自覚しろ」







そう言って頭ぐりぐりされる。でもやっぱり痛くなんてない。

なんか、飼い主と犬さんがあそんでるみたい。







『あーやっぱり悟くんってツンデレさんなんだ。かわいーとこあるね』

「やめろその上から目線、俺の立場なくなるんだよ」

『元々もうないよ？』

「やめろって」







お話するたびに、いつもの感じにもどっていく。

わたしの大丈夫は信用ならないってなんか怒られたけど、ちょっと何言ってるか分からない。







....でもやっぱり、いつかお母さんと悟くんが会う日がきちゃったら、わたしは二人ともバイバイしなきゃいけなくなるかもしれないって思って。





仕方ないふりして力いっぱい、もう一度悟くんに抱きついた。








『もーほら機嫌なおして？どうどう』

「分かりやすく馬鹿にすんなクソガキ」

『わぁすごい、ちゃんと"馬"っていう字入ってるね』

「....あーくそ、お前には敵わねぇよ」








そういうけどね、

わたしだって、悟くんにはかなわないよ。

19:いたくていたくて。→←17:なかないで。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す