i 騙すように【HUNTER×HUNTER】 (ページ6)

今日:1 hit、昨日:16 hit、合計:18,024 hit

4.大仕事ページ6

｢光栄だね、でも私不定期で家を飛び出してるから厳密にこの日、ってのが難しくて。クロロを急に呼び出すことになるかも。｣

｢俺は構わないよ。しばらくこの街に居座るつもりだし、また連絡してもいいかな？｣

｢勿論！｣

.

こうして初めての友人クロロと私は不定期で交友を深めていった
私の家出は月二ペースとなり母親が怒る頻度も増えたがその分殺しの依頼もこなしていたのでお説教ですんだ。

クロロは何やら用事があってこの街に居座っていたみたいだけと最近ようやく、｢大仕事が済んだ｣らしくこの街を出ることにしたらしい

そしてクロロと出会ってから一年ほど経ったある日、珍しく向こうから家出の日時を指定された

｢クロロから呼び出すなんて珍しいね。なにかあった？｣

目の前に座りアイスティーを飲む彼はなにやら嬉しそうでニコニコと話し出す

｢ああ、以前言っていた絶版のシリーズ物小説がようやく手に入ったんだ。Aにも読ませたくってね。｣

手元のトランクから本を取り出しながらクロロは話す

｢自分のしたいことは何か、本当の自由とは深く考えさせられるんだ。なかなか心理描写が興味深くってね、Aもきっと気にいると思う。｣

よかったら、と差し出す本を大切に受け取る。
クロロには負けるが私もかなりの読書家だ。彼がここまでおすすめする小説はどうしても気になってしまう。

｢そういえばこの本を読んでから聞こうと思っていたことがあったんだけど、｣

｢なに？｣

｢Aはどうして家出をしてるのかなって。今回は俺が呼び出したから外出だけど、出会った頃から気になってはいたんだ。聞いていいことなのかはわからなかったけど。｣

ストローで氷をくるくると回す彼の質問に思わず言葉が詰まってしまう。

｢うーん、どうして…？｣

｢…暗殺一家の跡取りとして生きることに疲れたから？｣