i 騙すように【HUNTER×HUNTER】 (ページ23)

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21.冬ページ23

｢普通殺し合いの最中に相手に情けなんかかける？そんなんだから姉さんは甘いんだよね。どうせなら俺を殺してその罪悪感に一生縛り付けられればよかったのに。｣

｢そうしたら俺は姉さんの記憶の中で一生生き続ける。｣

｢…ボクも大概だけど君も相当変人だよね♧｣

愛が重いってのも大変だね♤
イルミのAへの得体の知れない執着の深さが伺える発言に、あのヒソカでさえも軽く引いていた

｢俺が執着するのは姉さんだけね。ヒソカの変態と一緒にしないで欲しいな。ところでヒソカ、姉さんの念能力について何か聞かされてる？｣

｢『生前の死化粧』かい？｣

｢いやそれじゃない。おそらく強化系の能力だと思うんだけど、知らないならいいや。｣

それだけ聞くとイルミは黙ってしまった

｢イルミはこれからどうするんだい？Aにまた逃げられてしまったけど。あ、ちなみにボクはあてにしないでよね電話さっきから繋がらないんだ♧｣

一向に繋がらない携帯をヒラヒラとみせる
おそらく、この番号はもう使えないとAが判断したのだろう

｢勿論また探すけど？なんならヒソカも協力してくれていいんだよ、君も相当姉さんに入れ込んでるみたいだし。｣

入れ込んでいる事に対して否定はしない
ここでAと会えなくなるのも彼にとってはかなり惜しいことなのだ

いいよ♡と二つ返事でかえすヒソカ
変化系はきまぐれで嘘つき。それはAもヒソカも同じ。

｢次会えるのはいったい何年後になるやら♤｣

次に再会する頃には君は今より遥かに強くなっているだろう。
初めて会った時の酷く冷たい彼女の瞳を思い出す

｢(ああ…いいね、今から君と闘り合うのが待ち遠しい…♡)｣

＿＿＿＿＿

｢…なんか寒気がする。｣

ああ、そろそろ11月か。そりゃ肌寒くもなる。
冬物のコートを出さないといけないな、去年ヒソカが買ってきたコートが確かタンスの中に

そこまで考えてもうあの家には戻れないことを思い出す
彼女のため息が白く染まった

もうすぐ冬がやってくる。