i 騙すように【HUNTER×HUNTER】 (ページ24)

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22.ライセンスページ24

今回の1件でふたつわかったことがある。

①あの家の呪縛から解放されない限り、どこまでいっても私は自由にはなれない

②その為には私は覚悟が弱すぎる

①をクリアする為には②を克服する必要がある

今日イルミと戦ってみてわかった。

私は弟を殺せない。
伝説の暗殺一家の長女として確実に地獄行きが確定するレベルには人を殺めてきたが、いざ家族に殺意を向けられた時私は仕留めることが出来なかった。

イルミは次会ったらきっとまた、私を本気で殺しにかかるだろう。

その時に牙を向ける覚悟が居る。

｢…時間はたっぷりあるさ。｣

やるべき事は山積みだがこちとら時間は腐る程あるんだ。
薄く笑いをうかべ窓を見た

Aの青い瞳にヨークシンの夜景が反射する
飛行船は暗い空に消えて行った

＿＿＿＿＿

｢ハンターライセンス…ですか？｣

｢そうよぉ、絶対Aちゃんも持っておいた方がいいと思うのよね〜。｣

台所から顔をのぞかせ楽しそうにそう話すのはこのカフェのオーナーであるナナバさん。

あの日、ヨークシンを去った私は更に南へ向かい、どこへ行く宛もなかったが鍛錬をしながらとりあえず必要最低限の稼ぎができる場所を探していた。

その時に出会ったのがナナバさんである。

この世の闇を何一つ知らなさそうな彼女は私の｢20の時に家を出てきた｣という発言を聞いて何を勘違いしたのか、｢可哀想に…！！まだ若いのに親が勝手に決めた結婚なんて嫌よね…！大変だったでしょう。｣と私の境遇を勘違いして泣き崩れてしまうほどのお人好しだ。

これが世にいうお母さんというものなのかと思う一方、私の実際の母とナナバさんはまさに光と闇。対局のような所にいるなとつくづく思う。

話は逸れたがそんなナナバさんにハンターライセンスを取ってみたらどうか、と提案された

それはすなわち、私に今年のハンター試験を受けてみたらどうかという提案である。