悪くない ページ7
あたしの好きな人は
あたしが彼を好きなことを知っている。
まぁ、気まずい。
下駄箱で同級生と軽く言い合ってから、笑って手を振る。
同級生と別れた後、あたしは靴を履こうと前かがみになった。
「あのさ。」
急に声をかけられ、びくりとする。
その声はまぎれもない、彼の声だった。
聞き間違えるはずがないのだ。
「…うん?」
あたしは顔を上げ、彼を見つめた。
「いや、特に大したことでもないんだけどね。」
その先の言葉が少し怖かった。
何を言われるのかわからない。
とにかく、気まずいのだ。
「声…高いね。」
あたしは「へ?」と思わず間抜けな声を漏らした。
彼は話そうとしてくれているのだ。
それが嬉しかったのだ。
「あはは。ありがと。」
照れ臭くて下を向いたが何とか声に出すことができた。
「うん。じゃ、じゃあね。」
「また明日。」
ぎこちないけど、この感じも悪くないのかもしれない。
これも恋って感じがするから。
ううん。
多分君となら、全部悪くないよ。
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今日も。の続編だと思ってくださっていいです。
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作者名:憂宮時雨 | 作成日時:2017年8月17日 21時