バレンタインは知っている【探偵チームKZ事件ノート】 (ページ32)

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若武劇場開幕ページ32

砂原くんの事情が分かったところで、私は砂原くんに協力することにした。

A「今から攻めに行くなら、私も行く。探偵チームKZもね。不良は何人いるか分からないし、少しでも戦力はあった方がいいでしょ？近くに隠れてるから」

砂原「・・・わかった。でも、立花は呼ぶなよ。もう悲しい思いはさせたくないんだ」

砂原くん・・・。

私は軽く頷いてから、若武くんに連絡した。

若武「もしもし」

A「もしもし。ちょっと、いろいろ理由があって、砂原くんと協力することになった。場所は10丁目の児童公園。立花さん以外のメンバーで、すぐ来て。いい？立花さんは絶対ダメだよ。危険だから」

若武くんは「はぁっ！？」と声を上げて混乱してたけど、私は電話を切って、砂原くんと共に公園へ向かう。

私が若武くんと電話している間、砂原くんは電話で、立花さんに別れの挨拶をしていた。

なんだか切なくて、悲しい気持ちになったけど、今から小野塚たちを倒しに行かなきゃならない。

砂原くんのためにも、一生懸命戦おう。

そう心に決めて、公園へ向かった。

私は茂みに身を潜めて、小野塚たちと砂原くんの様子を伺っていると、後ろから若武くんたちが来た。

上杉「おい、寿。どうなってんだ！？」

上杉くんに小声で怒られて、私は目を逸らして答えた。

A「砂原くんは悪者じゃなかった。お母さんが小野塚たちのグループの詐欺の被害にあって、600万取られたの。それを取り返そうと思って、小野塚たちに近づいてたんだよ」

上杉「なんで、そんなこと分かったんだ」

A「砂原くんに直接聞い・・・。待って、砂原くんの状況が悪くなった！」

見ると、砂原くんは小野塚たちの証拠となるスマホを取られそうになっていた。

後ろから4人の不良が飛びかかる。

まずい！

私は茂みから身を出して、足元にあった手のひらサイズの石を投げた。

その石は、見事に1人の不良の頭にクリーンヒット。

飛んできた石に気づいた小野塚が、私を睨む。

小野塚「ッチ。またお前か！まぁ、いい。オシャカにしてやるよ！」

そう言うなり、小野塚は砂原からスマホを奪い取り、近くにあった池に向かって放り投げた。

証拠が！

私は走って取りに行こうと思ったけど、私より先に飛び出した影があった。

若武「いただきっ！」

わ、若武くん！？

私が目を見開くと、若武くんはスマホをしっかりと空中でキャッチしていた。

でも、そのまま池に墜落！

大丈夫！？