パノラマ ページ19
「もし、記憶が戻ったら…」
「…捜査官……やめちまうのか？」
不意に不知くんから投げられたその問に
すぐに答えることは出来なかった。
「なーに、寂しいの班長〜？」
「ちっチゲーよ！」
「サッサンが居なくなったら、
瓜江の馬鹿がチョーシこくだろうが…」
「ははっ、たしかに」
「やめないよ……"僕"は」
「だよな！わりぃ、変なこと…」
「「あははは！」」
「「？？」」
聞き覚えのある大きな笑い声に目を向けると
「いやーいいですねぇその髪型！」
「本当素敵！」
「「？！」」
「あれはAちゃんと六月くん…？」
「二人ともなにやって…！？」
その笑い声は正真正銘
Aちゃんと六月くんだった。
「オシャレでスタイルもいいし！」
「私も稼いでそーなりたいなぁ！」
もしかして…
「ママン」
「才子ちゃん？どうしたの？」
「二人とも、すげぇ酒臭いの飲んじゃったみたいス」
「や、やっぱり……」
って六月くんまだギリギリ未成年なのに…！
「もう…なにやって…ってこっち来る…？！」
ランランと目を輝かせた二人が猛ダッシュで
こちらに迫ってくる様子は軽くホラーだった。
「先生！"バイト"に誘われました！」
「「！」」
「連絡先も好きなタイプも足のサイズもバッチリ聞き出しましたれす！」
「あとの二つは別にいいかなぁ…」
「これでさらにせんにゅーできます！
ねーねーほめてください！！」
「でかしたA！トオル！」
「…うん、よくやったね二人とも！」
「へっへっへー」
多少不安はあるけど…
二人のおかげで大きな収穫だ。
「では踊ってきます！」
「あっなんで」
「勝利の舞！」
「我もお供しますぞ！」
「あっコラ才子！！」
「まったく…」
みんなで笑い合うこの時間が、僕は大好きだ。
「ヒアウィゴウ！！」
「テメェのダンスなんか古ィんだよ！」
「見て私はどう？！」
「いいボックスをぇみますねぇむっちゃん！」
「Aテメェはなんで盆踊りなんだよ！！」
「(……ねぇ不知くん)」
……もし、記憶が戻ったら。
その時は…
「("ハイセ"は死んじゃうんじゃないかなあ)」
…覚えていたいな。
……君たちのこと、
そして、彼女のこと＿＿＿
(そう言って、"また"忘れてしまうんでしょ？)
(あの子のことも)
僕の中で、声が聞こえた気がした。
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Moe(プロフ) - 初めまして。ニーズとは課題ではないんですか？？ (2018年7月24日 13時) (
レス) id: 4a2e3bc602 (このIDを非表示/違反報告)
透夏(プロフ) - アイスゥさん» コメントありがとうございます！目次にも凝ったのでそう言って頂けて嬉しいです…！面白い物語になるように頑張りますので、今後ともこの作品をよろしくお願いします！ (2018年1月4日 20時) (レス) id: 65a261933a (このIDを非表示/違反報告)
アイスゥ(プロフ) - 目次がかっこよすぎる…!センスに溢れてますね！内容もセンスに溢れてました！更新頑張ってください！ (2018年1月4日 17時) (レス) id: c8d2aafd8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：透夏 | 作成日時：2017年12月19日 18時
