【紫原敦と勿体ない地蔵 3】 ページ34
「何、か?俺、何に憑かれてるの?」
「どれどれ…少し待って下さいね」
そう言って、ゆっくり椅子から立ち上がり、紫原の額へ手を当てるA。一瞬だけ彼女の手が青白く輝く。目も眩みそうなほどの光だったが、それも直ぐに止んでしまった。
「ふむ、わかりました。あなた、とても霊感が強いのですね。自覚はしていないのかしら」
「霊感…昔から変なものとかは見えたりしたけど…」
「そして“もの”を大切に扱うのですね、良い心掛けですよ。だから…この子は貴方に憑いたのですね」
出て来なさい、軽くAが呟くと、紫原の額が青白く輝く。何か、変な文様の様なものが浮かび上がっていた。部屋の中にいた、黒子に黄瀬、青峰に緑間に桃井は思わず目をつむる。先ほどとは違い、強烈な光が直ぐには消えなかったのだ。徐々に光が弱まり、完全に消える。この場にいた全ての“人間”が目を開けたとき、そこには、綺麗な巫女が立っていた。
「勿体ない地蔵…──それが、貴方に憑いていた子の名前です」
「勿体ない、地蔵?」
無意識に紫原が呟くと、勿体ない地蔵が目を開く。ゆっくり、ゆっくりと何かを確かめるように開ける。開かれた目は、白く澄んでいて、とても綺麗だった。
《あ、つし…──敦、敦…嗚呼、やっと名前を呼べた》
儚げに微笑する彼女は、とても美しく、優雅だった。そんな勿体ない地蔵にAは優しく声をかける。
「こんにちは、勿体ない地蔵」
《この感じ…貴方、祓い屋ね?私を払うのかしら…》
「そんな事しないわ。ただ、もう少し力を弱めて欲しいのよ、紫原くんが困ってしまうからね」
《あらぁ…それは悪いことをしてしまったわ。ごめんなさいね、気をつけるわ》
それでは、そろそろごめんなさい。と言って、勿体ない地蔵の姿が消えた。Aが言うには紫原の中へと帰って行ったらしい。これからは変なことは起きないし、何も見えない、何も聞こえなくなるだろう──異形の声は。
「だから、心配はいらないわ──貴方が来るでの間、ご機嫌よう」
紫原の意識は、ゆっくりと闇へ落ちていった。
【20××年 十二月 二十四日】
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コアラ&カエル(プロフ) - Misaki.sさん» こんにちは。お返事遅くなってすみません。お褒めいただきありがとうございます!ゆっくり、少しずつですが更新していくので、またぜひ読んでやってください(*´∀`)♪ (2017年5月23日 13時) (レス) id: ab34f6ea9b (このIDを非表示/違反報告)
Misaki.s - 初めまして。この小説を読んでとても面白いと思いました!更新頑張ってください! (2017年4月1日 16時) (レス) id: 30f17bfb09 (このIDを非表示/違反報告)
コアラ&カエル(プロフ) - honokaさん» ありがとうございます!ぼちぼちですが、更新頑張りますね♪ (2015年12月5日 20時) (レス) id: 67c1928645 (このIDを非表示/違反報告)
honoka - 更新頑張ってください!応援してます! (2015年12月5日 1時) (レス) id: 832ca91d9b (このIDを非表示/違反報告)
コアラ&カエル(プロフ) - novelさん» ありがとうございます♪今は忙しくてあまり更新できないのですが、できる限りで頑張らせてもらいます!応援、ありがとうございますね! (2015年9月5日 15時) (レス) id: 67c1928645 (このIDを非表示/違反報告)
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