08*家のママ ページ9
「留学は楽しかったかしら?
Aちゃんがいないからママもパパも寂しかったのよ。」
『前日に行くこと決めて、驚かせてごめんなさい…』
後部座席に座り、シートベルトを装着しバックミラーに映るママと目が合う。
大好きな優しいママの笑顔に、改めて日本に戻ってきたと安堵している事に気がついた。
「驚いたけど、説明に来てくれた泉くんのクラスメイトの斑君がしっかりした子だったからAちゃんを任せられるって思えたのよ。」
みけじママと教師が家に来て突然の留学を説明に来てくれたのは知っていたけど、ママの好感度も高かったのは流石はみけじママ。
ガチャっと車の扉が開く音に顔を向ければ、泉さんも車へとやって来た。
助手席に乗るものだと思っていたから、私は後部座席に乗ったのになぁ…
「A、俺も乗るから奥に行ってよねぇ。
ただいま、ママ。」
必然的にママの間後ろの席に移動し、隣に泉さんが腰を下ろしている。
「泉くんもおかえりなさい。
それでね、斑君はもしかしてAちゃんの彼氏かしら。なんてママ思っちゃって。」
「はぁ!?そうなの!?」
私が反応するよりも早く泉さんの苛立つ声がこちらに向いて飛んで来ています………
視線も鋭さを増して、非常にこわい…
『ち、ちがうから!
マ…斑さんにはいっぱいお世話になったけど彼氏とかじゃ全然ないの!』
バックミラー越しのママはうふふと笑い、隣からは突き刺さったままの視線に苦笑いを浮かべた。
「彼氏が出来たらママに教えてよ?
娘と恋ばなするの楽しみにしてるんだからぁ。」
発車している車窓から流れるは懐かしい街並み。
車窓越しに映る兄の視線が鋭いのは見て見ぬふりをし続けることにした。
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モカ(プロフ) - 架月*さん» コメントありがとうございます!初めてこのお話にコメントが来たっ…!!非常に嬉しいです。更新頑張りますね。 (2017年6月23日 21時) (レス) id: efb045d001 (このIDを非表示/違反報告)
架月*(プロフ) - あとがきとあり、ここで終わってしまうのかと思ったのですが、続編と聞いてワクワクしてます!頑張って下さい! (2017年6月23日 21時) (レス) id: 6bbbbd55e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モカ | 作成日時:2017年6月9日 6時