46*たからもの ページ47
遊木 真視点
「名前で呼んで」なんて…思い返しただけで恥ずかしいよね…
キッズモデルの時からの友達で泉さんに
倣ってか僕を【ゆうくん】と呼ぶ女の子。
口下手の僕でも流石に出会って10年以上のAちゃんなら気軽に話せる。
転校生ちゃんも明星君や氷鷹君がいてなら冗談混じりに話せるけど、まだ緊張してしまう。
「あのAって子、ワカ…瀬名先輩と似てなくて良い子だね。
転校生ともすぐ仲良くなれたし。」
「はは…優しくて良い子だよ。」
「あれー？ウッキー顔が赤いよ！もしかしてあの子のこと好き？」
慌てて弁解するも青春だねーなんて転校生ちゃんと先に行っちゃうし。
はぁ、と溜め息を吐きながら後を追おうとした時
「ゆ〜う〜くん♪」
この名前で僕を呼ぶのはAちゃんともう１人だけ。
振り返りたくないし、走って逃げちゃおっか…
「無視するなんて酷いなぁ、ゆうくん。」
「…泉さん…もう僕に関わらないでくださいって言いましたよね…」
「ゆうくんって今でもAが好きなんだねぇ。
お兄ちゃんが協力してあげようか？」
「え？」
Aちゃんは泉さんの妹でこの人ならAちゃんのことをなんでも知っているけど…
あぁ、もう泉さんがすっごい楽しそうな顔してるじゃん！
これってハイリスクハイリターン過ぎない!？
「Aと付き合って結婚してくれたらゆうくんは俺の本当の弟になるねぇ。
嬉しいなぁ。」
「この人本当に気持ち悪い…」
「でも迷っちゃうなぁ…ゆうくんがどうしてもってお願いしてくれたら揺れ動いちゃうけど。」
「口車に乗せられそうになった僕がバカでした。
もうみんなが待ってるから行きますね。」
背を向け自分達の教室へと一歩、二歩と足を動かすと後ろからまた僕を呼ぶ声。
Aちゃんのことは好きだけど、
泉さんの妹と言うのが最大のネック。
「ごめんね、可愛いゆうくんでもあげられないなぁ。
…あれ、俺の宝物だから誰にもあげたくないんだよねぇ。」
振り返れば既に泉さんは逆方向へと進んでいる。
仲の良い兄妹だけど今の口調はそれ以上の念？みたいなのが込められてる気がした。
泉さんとAちゃん…。
どちらにしても僕の恋は障害が多すぎる。
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モカ(プロフ) - 架月*さん» コメントありがとうございます！初めてこのお話にコメントが来たっ…!!非常に嬉しいです。更新頑張りますね。 (2017年6月23日 21時) (
レス) id: efb045d001 (このIDを非表示/違反報告)
架月*(プロフ) - あとがきとあり、ここで終わってしまうのかと思ったのですが、続編と聞いてワクワクしてます！頑張って下さい！ (2017年6月23日 21時) (レス) id: 6bbbbd55e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モカ
| 作成日時：2017年6月9日 6時
