22*皇帝陛下 ページ23
鬼龍先輩の助けとアドバイスのお陰でなんとか本番には間に合うことが出来た。
缶詰状態だったから今日は家にかえって寝たい。
いつにも増して上機嫌の泉さんが家庭科室を覗きに来ては労いの言葉をくれたから、励みになり頑張れたし、やっぱり裁縫が好きなのだろう。
DDDが明日と言うことで校内も異様な緊張感に包まれている。
衣装ラックを押しながら、校内にあるエレベーター目指して進めば まぁくんの姿。
話しかけようかと思うもどこか思い詰めており、生徒会長の思惑のなかにいるらしいから仕方ないと声を掛けるのを諦めた。
「おや?」
ラックを押す私に掛けた声なのだろうか、振り返れば色素の薄い儚さを纏う人物。
少し前に思い浮かべた生徒会長の姿。
「キミは留学帰りの…瀬名泉君の妹さんだね。」
少しだけ、零さんとは違った意味で恐いヒト。
柔らかい笑みを称えたいるようで目が笑っていない、兄と同じく空色の瞳。
『お疲れ様です。兄がいつもお世話になっております。』
「そんなに警戒しないでほしいな。
今時間あるかい?折角だから君と少し話がしたいなぁ。」
ここで2択。
▼断る
▽応じる
そんなの恐すぎて応じるしかない。
会長が出てきたのは生徒会の部屋。
ビビりながらも部屋に足を踏み入れた。
去年の私は零さんやみけじママと仲良くしていた。
反生徒会派と。
ガーデンテラスだけではなく、このフロアも出来れば近付くなと。
「上質な茶葉が手に入ったんだ。
折角なら君のような愛らしい子と放しでもしながら飲みたかったところだよ」
『良い匂い…ティーカップも可愛い』
「喜んでくれたようで嬉しいよ。」
ティーカップを口につけて、紅茶を少し流し込むもニコニコとガン見され過ぎて味なんてわかりゃしない。
『あの…』
「キミは瀬名くんとは見た目は全く似ていないね。」
『よく、言われます。
私と違って兄は完璧なヒトなんです。』
「…キミには人を惹き付ける魅力があるじゃないか。朔間君とも仲良しだろう。
…DDD。キミはなにかしようとしている?」
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モカ(プロフ) - 架月*さん» コメントありがとうございます!初めてこのお話にコメントが来たっ…!!非常に嬉しいです。更新頑張りますね。 (2017年6月23日 21時) (レス) id: efb045d001 (このIDを非表示/違反報告)
架月*(プロフ) - あとがきとあり、ここで終わってしまうのかと思ったのですが、続編と聞いてワクワクしてます!頑張って下さい! (2017年6月23日 21時) (レス) id: 6bbbbd55e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モカ | 作成日時:2017年6月9日 6時