・シノアside ページ3
家を追い出されてしまった......
私は穀潰しだと.....
確かに十年そこらしか生きていない私に出来ることは少ないけれど...
『これからどうしようかな......』
行く宛てなんか無いし、お金も持ってない、知り合いもいない。
おまけに今は冬だ。
私.....このまま死んじゃうのかな
今日は立派な家の近くで雪を凌いだ。
二日目
あれから何も口にしていない。
お腹がすいたし喉も乾いた。お母さんのご飯が食べたい......
でも、あの家に帰ることはもう.....
二つ下の妹のアンリは大丈夫だろうか.....セシナは無事だろうか....
妹達の心配をしていると日が暮れた。
昨日より寒い....毛布がほしい.....
生憎薄着にちょっとした上着しか着ていない。
凍え死にそうだ.....誰か助けて。
そう願って狭い雪の凌げる路地裏に入った。
三日目
寒い....お腹がすいた。
『ﾋｭ....ﾋｭ......ｶﾋｭ』
喉が乾いて乾いた声しか出なくなった。
まともな声一つ出せやしない。
「おやお嬢さん大丈夫かな？」
とあるご老人が声をかけてきた。
そのご老人もボロボロの服を着ていてとても裕福とは言えないんだろう。
声を出したい.....でも出せない。
「声が出せないんだね。お水を置いていくよ。君に幸があらんことを」
そう言い残してご老人は去っていった。
私は力を振り絞ってお水を飲んだ。
冷たくて、味なんてしないのに
とても美味しかった。
(老人の慈悲)
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作者名：お水とお餅 | 作成日時：2020年9月30日 20時
