５ 殺気 ページ5
キルアの引き出しにオープンに置かれたハンター試験の申込書。これはキルアがAに追いかけてもらうために打った布石であった。この件に巻き込まれたある種被害者であるAは、人混みに紛れ込んだキルアを見つけられないらしい。キルアはいたずらっ子のようにほくそ笑んだ。
第１次試験が始まると、キルアは自分と同い年くらいの少年を見つけ話しかける。
「俺キルア」
「俺ゴン！お姉さんの名前は？」
「Aですよ、キルア坊っちゃまのメイドです」
いつの間に。ゴンの隣にいたAにキルアは目がとび出そうになる。全く気配を感じなかった。Aはというと、メイドの外行きの表情を浮かべてニコニコとしている。
「へぇ〜！Aさん、キレイな人だね！」
ゴンがそう言うと、Aは少し顔を赤らめて照れた表情をする。なんだあいつ。初めて見たAの表情にキルアはつまらなさそうな顔をする。
「ありがとうございます、ゴン様。キレイだなんて言われると、照れてしまいます」
「ゴンでいいよ、メイドさんの格好すごい似合ってるよ！」
完全にゴンとAの世界である。キルアは２人の間に割り込むと、スケートボードをAに渡した。なんか気に入らない。Aはキョトンとした表情をして受け取ると持っておきますねと言う。
「ただ、勝手に乗ってしまうかもしれません」
「あぁ、もういいよ。オレ走るし」
Aは口角を上げて頷くと早速抱えていた腕から華麗にスケートボードを落とし、軽快に飛び乗った。スケートボードに乗って颯爽と前の方に出ていき、遠のいていくメイドの姿を見てゴンが「キルアはあのお姉さんのこと、とっても好きなんだね」と言う。
「はぁ？？！」
大きな声がトンネル内を反響すると周りの走っていた参加者たちが振り返り、暫くして何ともないと分かると再び前を向いて走り始めた。キルアはごほんと咳払いをすると顎に手を当てコンクリートの天井を見た。
「でもまあ、アイツが世話してくれるのが一番楽しいし楽だな･･･」
「へぇ･･･！！もっとキルアの話、聞かせてよ！」
目をキラキラと輝かせて見るゴンに、キルアは頬が緩むとメイドのAと自分の武勇伝を話し出すーーー
Aはキルアから拝借したスケートボードで最前線まで来ると、殺気のようなものを感じて振り返った。後ろにいるのは黒い服にスキンヘッドの男と、白髪をひとつに纏めた貫禄のある老人がいた。彼らでは無さそうである。
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chain.(プロフ) - 七面鳥ぱんさん» 七面鳥ぱんさん！好きと言って頂いてありがとうございます😭✨全然更新できてなくてすみません💦 (2022年6月27日 20時) (
レス) id: 8c2c14010e (このIDを非表示/違反報告)
七面鳥ぱん(プロフ) - めちゃ好きです (2022年6月19日 2時) (レス) @page10 id: 54cc13708a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：chain. | 作成日時：2022年5月7日 18時
