4 家出 ページ4
9歳だったキルアも12歳を迎え、半年が過ぎようとしていた。Aは相変わらずキルアの世話をしており、朝早くからキルアに大声で呼び出されるとAはキルアのふわふわの猫っ毛を
「なぁ。Aはこの家にずっといるのか?」
キルアの思わぬ質問にAは目をぱちくりとさせた。思えばもう6年もこの屋敷で働いているが、将来のことなんて考えていなかった。Aは「そうですねぇ」と髪を梳かしながら考える。
「今はまだここで働きますが、もし良い人と巡り会えたらここはやめて、普通に働きますかね」
「それって、いずれはやめるつもりってこと?」
今日はやけに坊っちゃまが食い気味に質問をしてくるな、とAは梳かす手を止めた。手を止めた瞬間、キルアの肩がピクリと跳ねた。何か怪しい。Aはキルアの横にくるとしゃがんでキルアの手を取った。
「坊っちゃま、私に隠してることありません?」
「きゅ、急に触んなよ!ビックリするだろうが!」
キルアはバッと手を振り払うと顔を真っ赤にした。どうやら図星のようである。相変わらず嘘が下手だなぁとクスクスと笑っていると、キルアは少し複雑そうな顔をした。
「いずれはやめるでしょうね」
Aはキルアが殺し屋家業にウンザリし始めてるのを知ってる。こう言えばキルアも嬉しいだろう、そんなことを考えAが言うと想像通り、キルアは嬉しそうな顔をした。「やっぱり、お前はオレと考えが似てる」なんて言って。
そして、事件が起こったのはその後だった。キキョウとミルキが刺されたのは。
刺されてすぐ、キキョウは感激。血まみれの状態でAを呼びつけるとキルアの後を追い、様子を見るように言われる。
やはり何か目論んでいた。Aはキルアの引き出しからハンター試験の申込書を発見すると、身一つでハンター試験会場へ向かった。
参加申し込みはしていないものの、受付にプレートを手渡されたので、大丈夫だろう。胸元に付けると、エプロンをはたいて銀髪を探す。
中々手のかかる坊っちゃまだなぁと思いながらも、すぐにキルアは見つかった。小太りの男と楽しげに話しており、Aはキルアの元へ向かう。
「げっ、」
Aに気づいたキルアは人混みの中に紛れるように逃げた。
177人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
chain.(プロフ) - 七面鳥ぱんさん» 七面鳥ぱんさん!好きと言って頂いてありがとうございます😭✨全然更新できてなくてすみません💦 (2022年6月27日 20時) (レス) id: 8c2c14010e (このIDを非表示/違反報告)
七面鳥ぱん(プロフ) - めちゃ好きです (2022年6月19日 2時) (レス) @page10 id: 54cc13708a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:chain. | 作成日時:2022年5月7日 18時