温泉旅館:2 ページ3
部屋の襖を閉めて、ゆっくり詰めていた息を吐く
____夫婦となって初めての旅行
Aの脳裏にそんな言葉がよぎった
今までに赤司とは何度か旅行をした事があったのだが、その時の赤司に対しての認識は“友達”だった
しかし、今回は全く関係性が変わっていて
“友達”から“旦那”と関係性が変わった今回の旅行
昨日までは、久し振りに休みが取れると思って楽しみであったのに、今更になって緊張している
何に、対してかは分からないが。
先程、赤司に「一緒に入ろう」と言われて
嫌では無かった。しかし、このままだと駄目だとも思った
あのままだと、自分が自分では居られないような気がして、もっと赤司のことを欲してしまいそうで
_____いいのだろうか
今まで、自分から欲したことが無かったが。
自分から赤司を欲して。
.
.
一応、念入りに体を洗い露天風呂に入る
ふう、と一息ついて漆黒の闇が広がる夜空を見上げれば、都会ではあまり見ることが出来ない星たちがきらきらと煌めいていた
星はあまり詳しくないけれど、夏の大三角形くらいは分かった
「征十郎と、、、見たかった、、、」
ふと、口から出た言葉にハッとして口を抑える
____無意識にした言葉は正直だ
いつからだろうか、こんなにも赤司のことを好きになっていたのは
いつからだろうか、こんなにも赤司のことを欲するようになったのは
(こんな時に自分に嘘を付くのは良くないか、、、)
Aは風呂に十分に浸かって、温まった後その場を後にした
赤司よりも先に部屋にいないと、自分に正直になれないような気がしたので。
.
.
さて、赤司も同時刻。部屋の露天風呂に浸かっていた
部屋の露天風呂からの夜空は、今までより一層輝いて見える
今日、赤司がこの旅館にしたのは赤司家にとって思い入れの深い場所だからだ
昔、母が生きてた頃。赤司の家族3人だけの旅行で毎年恒例で来ていた大切な場所
母が亡くなってからは来れなかったので実に数十年振りに来た
「本当に、変わっていないな、、、」
出迎えてくれた女将や部屋。この夜空も。
昔のまま、それらは存在している
変わったのは“一緒に来た大切な人”
____これから、ずっとAと
赤司は思う。
何度も何回も、いつかは2人だけじゃなく3、4人となって
一緒にこの夜空を眺めたいと、願った
1271人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
イナアレオリ - キセキ様の黒バス作品最高です私好みの作品です!更新と続編頑張ってください! (2020年6月28日 20時) (レス) id: 2e62a84241 (このIDを非表示/違反報告)
むーん - 子供!見たい!子育て編てきなのも見てみたいです! (2018年7月26日 13時) (レス) id: a7bd376b17 (このIDを非表示/違反報告)
鈴菜(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます!できれば赤司くんの職場での様子もまた見たいです!職場までのお迎えとかも…!これからも楽しみにしています!無理はせずに頑張ってください! (2017年10月22日 19時) (レス) id: f602305853 (このIDを非表示/違反報告)
木戸 凛々(プロフ) - 君がいないと、息もできない。読まました!!すっごい好きでした!!ああいう赤司様も好きです!大好きです!病み期大丈夫でしたか?(´・ω・`)無理はなさらないでくださいね!お気に入りは減りませんよ!我々末永く待っております!頑張ってください! (2017年10月3日 0時) (レス) id: 3f020bed75 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎのはな(プロフ) - 温泉旅行の話最高でした!!いつもなぜ評価を1度しか付けられないんだ...と思いながら一番右の星をポチポチしております笑 これからもお話楽しみに待ってます!ご無理はせずに!! (2017年9月4日 13時) (レス) id: 9f35c7e40c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:キセキ | 作成日時:2017年8月13日 17時