【あんスタ】＋Continue 2

レストイン ページ28

「……で、ホワイトチャペルでってのがまた─────」

「……はあ…」

軽音部室でパイプ椅子を引かれお茶(という名のスポドリ)を出され割と好待遇のなか私は大神先輩のイギリスプレゼンを30分程ノンストップで聞かされていた。

大神先輩色々と話して貰ってるけど正直私イギリスっつっても端っこの片田舎に引きこもってたからそんな知らない。多分大神先輩のが詳しい。ごめんね。

それにしてもさっきまでの喧嘩売りに来た顔が信じ難いぐらい清々しい笑顔である。

中々珍しい光景なのか私と話すために部屋の隅においやられている朔間先輩ともう2人の先輩の

「おぉ、薫くん。珍しく来てくれたのかえ？」

「あ、おはよう朔間さん。ねぇ、あれ何？」

「あれとは……はて、……薫くん、あれはなんじゃろうか？」

「朔間さんにもわからないなら俺がわかるわけないよね」

「…大神のあんな顔はライブ以外では久しぶりに見たな」

「ね、女の子と笑顔で話すわんちゃんとか軽くホラーでしょ」

そんな会話が聞こえてきた。

そして夏目……はもういいや。私が行けなかったら海凛ちゃん呼んどいてって言ったから何とかなってるでしょ(放棄)。

「────わんこ、嬢ちゃん。我輩もお話にいれてくれんかの」

そんなことを考えているといつの間にか朔間先輩が私の隣に座った。

「あ、ずるい朔間さん。俺もその子と話したいのに！」

「寄ってくんなよ特にチャラ男。ていうか、今は俺と話してんだよ」

「なにそれ酷くない？そもそもわんちゃんには聞いてないんだけど…ねぇ、名前なに？」

え、私に？

「そうそう、外国人さんかな？お人形さんみたいな綺麗な顔してるね。何科？何年生？もしかして留学してきたとか？」

「これ薫くん、質問攻めにしては嬢ちゃんが困っておるぞい」

「だってこんな可愛い子がうちにいるなんて俺知らなかったし。わんちゃんよく見つけたね？」

「いや、こいつ例の3番目の転校生だろ。結構有名だぞ」

「3番目の…あぁ、確か熊を一撃で倒したことがあると…」

ねーよ。

「え、なんで？俺なんにも聞いてないよ？えっ、怖っ…なんで？」

「情報規制…されておったんじゃないかえ？」

「…誰に…？」

「天祥院くん…あたりじゃろう、おそらく」

「…なんで…？」

「前科が…あるからじゃろう？」

「俺何もしてないよ？」

「ほう、お主が先の転校生2人初対面で口説いた件、老いた身である我輩でも覚えておるんじゃがのう？」

なにしてんのこの人。

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