スクランブル2 ページ3
夏目が来るのすっかり忘れてた。
『A〜起きてル?』
「はいはいちょっと待ってって」
室内インターホンから夏目の悪態が聞こえたので足早に玄関に駆ける。
「おはよ。随分早かっ───」
「やあやあおはようございますAさん!あなたの日々樹渉です!!」
ぱたん
「ちょっト、開けてよA」
「なんっ…な、何で日々樹先輩がいるのっ!?」
「なんでっテ、昨日帰る時に師匠と会って明日Aんち行くって話たラ」
「どんなところですか?と尋ねたら夏目くんが『でっかいTSU○AYA』と仰ったので興味が湧いて☆」
「だったらTS○TAYA行けば!?」
人んちをTSUTA○A呼ばわりすんなよ。
つかまさかこのために今日うち来るとか言ったんじゃないよな?ちょっと、ねぇ。
「いいから早く開けてヨ。男2人の力に勝てると思ってるノ?」
「枝野(家政婦)さん鍵ーーーーーッ!!!」
叫んだ時には遅かった。というかそもそも日々樹先輩が同伴してる時点で詰んでた。
ドアを抑えてた筈なのにいきなりどこからともなく大きな風が吹いて白い羽根が舞い散る。
咄嗟に目を瞑って、開く頃には何故か2人が目の前にいた。
「すみませんね、手荒な真似をして」
「ったく、こんなことでいちいち手間取らせないでよネ」
……おかしい、何かがおかしい。
なんで私が悪態つかれなきゃならないんだろう。
「……………わかりました、もういいです。部屋は提供するので終わったらすぐ帰って下さいね」
「おや、つれませんね。Aさんも一緒に──」
「結構です。他の用事があるので」
いや、他にやる事なんかないけど。休日まで関わりたくないよね。
「こっちだよネ」
「…あぁ、うん、もういいわ…」
家の勝手を知ってる夏目に先に行かれながらも日々樹先輩を映像室に案内する。
映像室、と言ってもただ単に観るだけの部屋だけど、うちには映像オタクが約2名程いるので本当にありとあらゆる映画が揃ってる。それこそ洋画から邦画、アニメ、ドキュメンタリー等々。機器にしてもブルーレイ、DVD、VHS。
そういえばこの前フィルム投影機とかあったな。
TSUTA○Aって言われても正直まあわかる。
「ほぉ…これはちょっと予想外ですね…♪」
心做しか日々樹先輩の声が弾んでるように聞こえた。
まあでもちょっと気持ちはわかる。真新しいものから懐かしいもの、古すぎて逆に新鮮なものが一同に狭い密室に揃っている。まるで秘密基地のような空間だ。
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佐藤(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» コメントありがとうございます!更新遅くて申し訳ないです…佐藤、キラキラネームとか難読苗字が好きなのでもっと使っていきたいですね。頑張ります! (2018年10月10日 0時) (レス) id: 4f2d8f4684 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤(プロフ) - 佳乃さん» 修正しました!!!もともと誤字脱字マンなんですがまさか英智さんの名前間違えるとは…ご指摘ありがとうございます! (2018年10月10日 0時) (レス) id: 4f2d8f4684 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - うわ、めっちゃ気になるところで更新来てないwwえー…めっちゃ気になるやんか←w この作品好きです!!めっちゃ続き気になります!!海凛の当て字(?)とかすごかよ(ぼそ 応援してます!無理ない程度にふぁいとです!! (2018年10月9日 18時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
佳乃(プロフ) - すいません、リトルガールの誤字を教えたいんですけど、sideの所で、英知って書いてますけど、英智だと思うんですよね。この作品、とても好きです。更新頑張ってください。 (2018年10月8日 9時) (レス) id: e3737ad166 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐藤 | 作成日時:2018年8月20日 18時