テンプテーション5 ページ27
視点→高峯翠
初めの、自己紹介の時から何となく分かってた。
辿々しい声に、合わせない目、人目を避ける長い前髪。
あぁ、
俺も含めてそうなんだけどこういう人間は大概面倒事に直面すると逃げてしまう傾向がある。
実際彼女も(人見知りである事はなんとなく察したが)クラスだったりプロデュースでの人間関係を最初から放棄していたように見えた。
まあその事も気持ちは分からないでもない。自分だって同じクラスに鉄虎くんがいなかったら十二分にそうなってただろうし。
だからこそ彼女が『人を傷つけた』というのはあまり信じられなかった。
『ずっと前から嫌いな人がいた』『いなくなってほしかった』自分ならどうするだろう。
決まってる、『逃げる』一択だ。
そいつの知らないところまで逃げて、きれいさっぱり諦める。
というか、傷つけたとして、傷つけたところで何がどうなるっていうんだ。
校内で殺人なんか出来るわけないし、傷害なんてその場で目撃者がいなくとも被害者が誰かにチクれば即終了。彼女もそんな事が分からないわけがない。
そもそも彼女は容疑を『否認』し学院もそれを
噂だけが独り歩きしてる気がするなぁ。
でもだからと言って俺が何かできるわけじゃないし……俺も彼女の事についてはコミュ障だろうなぐらいの認識しかない。
「み、翠くん、その……どうだったッスか…？」
校庭に戻ると鉄虎くんがそう尋ねてきた。
「大丈夫なんじゃない？一応自分では歩けてたし……」
「そ、そッスか……」
目を横に伏せる鉄虎くん。
…あぁ、言うのしんどいな。でもこういうのは誰かがちゃんと言わないと駄目だよね。
「………鉄虎くん、薬袋さんに当てたの──わざとでしょ？」
「…………、悪意が無かったって言えば嘘になるッス。でも、たまたま薬袋さんが視界に入って……それで、ちょっと気を取られて……当てるつもりは無かったんスよ」
「故意じゃなくても怪我させた訳だから……とりあえず謝った方がいいと思うよ……守沢先輩には黙っといてあげるから」
「そう…ッスね。翠くんも、申し訳ないッス」
謝るのは早い方がいい。タイミングを逃してしまったら本当に謝れなくなってしまうから。
鉄虎くんにも、そういう思いはしてほしくないし、ね。
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翔。(プロフ) - 好きです！！最高に面白いです！！エリートヒキニート最高！ (2019年1月20日 6時) (
レス) id: 63a2837fb8 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤(プロフ) - ♪咲那♪さん» わーいありがとうございます(^o^)/頑張ります！ (2018年5月15日 0時) (レス) id: 4f2d8f4684 (このIDを非表示/違反報告)
♪咲那♪(プロフ) - おもしろくて続きが気になったのでこれからも更新頑張ってくださいね！ (2018年5月7日 22時) (レス) id: 282e7e9f5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐藤 | 作成日時：2018年4月7日 1時
