エリゼの子猫たち2 ページ7
「お待たせしました。ジャスミンティーとセットの抹茶シフォンケーキです」
「あれ、今日は創くんじゃないね?」
「すみませんね〜うち指名制じゃないもんで。綺麗どころ囲いたいならキャバでも行けばいいんじゃないですかね〜?」
「あ、創くんだ。あはは、手振り返してくれた」
聞けよ。
「天祥院さ〜ん、ほんと警察沙汰にはしたくないんですけど〜?」
「それなら問題ないよ、警察なんて金で片付けられるからね」
金持ちは寿命50年減る法律できねぇかな。
「それにしても君、バイト増やしたんだって?」
「創くんじゃ飽き足らず私までストーカーし始めたんですか?」
「いや、君にはあんまり興味ないけどね。創くんが『最近来ないんです〜』って話してたから」
「はあ…」
「身体は大切にした方がいいよ。折角健康に生まれてきてるんだから、壊してしまったら元も子もない。お金で買える健康もあるけどお金で買えない健康もあるんだからね」
……なんで私金持ちに上から目線で説教されてるんだろう。
ていうか金持ちってだけで何言っても皮肉にしか聞こえないよね。いや、貧乏人の僻みって言われればその通りなんだけどやっぱり金を持っているか否かで心の余裕って随分違ってくるでしょ。
私だって100兆円持っていればそのうちの10億円ぐらい使って発展途上国の子供救いまくろうぜぐらいの余裕は生まれると思うよ多分。
「───聞いてる?」
「え、あ〜多分…」
「全くもう…睡眠はちゃんととれているのかい?」
「あぁ、それは心配ないというか…。実は昨日その新しいバイトだったんですけど、店長が突然『今日は店じまいだ』って開店30分で店閉めちゃったんで奥の店長ん家のソファで仮眠取ってたんですよね〜」
「それは…本当に店なのかい…?」
「えぇ、店なんですよ…。ここからちょっと遠いですけど…ええっと、電車で2駅ぐらいかな。住宅街の近くにあるアンティークショップで、『ヴィクトリア』って言うんですけど……」
「ヴィクトリア?」
「はい」
「もしかして…店長って斎宮くん?」
え、天祥院さん店長の知り合いなの?
でも天祥院さんと店長ってあんまり接点ありそうになくない?似てる気はするけど。
「え、あの、店長に高級羽毛ぶとんとか売りつけてませんよね…?」
「君は斎宮くんを特殊詐欺に狙われてるおじいちゃんか何かだと思っているのかい?」
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佐藤(プロフ) - 璃々衣さん» 初めまして、有難いお言葉ありがとうございます!色々と書きたいネタはあるのですがね…もっと更新できるように精進します。これからもよろしくお願いします! (2018年10月31日 18時) (レス) id: 4f2d8f4684 (このIDを非表示/違反報告)
璃々衣(プロフ) - 初めまして。とても素敵なお話で、何周も読みました……!お忙しいとは思われますが、更新楽しみにしております。お体に気をつけて、更新頑張ってください! (2018年10月29日 19時) (レス) id: 6b21f4271d (このIDを非表示/違反報告)
佐藤(プロフ) - こめこさん» コメントありがとうございます…!いやもうそう仰って下さりとても嬉しいです。本当に更新遅くて申し訳ないんですがこれからも読んでいただけると幸いです(_ _) (2018年10月3日 1時) (レス) id: 4f2d8f4684 (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - 突然のコメント失礼します。作者さまの書かれる独特なリズム感のある日常がかわいくて素敵で、とっても好きです。更新があるたびつい嬉しくなってしまいます〜。これからもひっそり応援させていただきますね (2018年10月1日 21時) (レス) id: daff2d3cef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐藤 | 作成日時:2018年7月21日 21時