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休憩を入れずに走り続けたら夜になっていた。
さすがにアドレナリンが切れて疲れたのでサービスエリアに入って車を止めた。
「渉、大丈夫?」
「平気。Aは?」
「私も大丈夫。ここまで来れば平気かな」
「さすがの渡辺家もしばらくは追いついてこないと思う。車も違うし大騒ぎは出来ないだろうし」
当主の娘が執事と一緒に逃げたなんて話、外聞が悪いだろうからきっと渡辺家で抑えるはずだ。
「ご飯食べる?」
「食べたいけど、お互い目立つね」
そのまま出たから俺は執事服のままだし、Aも生活の質を感じさせる格好だ。
「ここ大きいから服ぐらい売ってるだろうし着替えて、それで食べるか」
「うん」
売店に行くと普通のTシャツが売っていたので俺は黒、Aは白にした。
トイレで着替えて次はフードコートに行った。
こういうときだからとAは親子丼を注文した。
美味しそうに頬張る姿を見て俺も頬が緩む。
「こんな感じで外にいるの、初めてだね」
「だな」
今まではお嬢様の付き添いという体で二人で出かけていた。
「渉の私服って見たことないね」
だから俺はいつもの格好で、決して普通ではなかった。
そして一生普通は訪れない。
束の間のデートのような雰囲気を楽しんだ後、車に戻ると。
「私たち捕まったらどうなるのかな」
Aは不安そうに呟く。
「一生会えなくなるね」
「渉は結婚させられちゃうね」
「Aも結婚早まるかもな」
「やだな。渉以外とキスしたくない」
「俺だって嫌だよ。A以外となんて」
彼女の顎を軽く持ち上げてキスをする。
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作者名:ユタカ2 x他1人 | 作成日時:2021年9月11日 17時